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実例Q&A

使用借権の評価【Q&A №103】

2011年11月25日


 

土地の相続問題です。

相続人が甲と乙2名であり、乙は被相続人と23年前に被相続人の土地にその住居を取り壊し、新築して同居していました。

相続協議において、乙は使用借権をかざして、地価額の2割は使用貸借権がある土地として評価額の低減を要求しています。

甲は弁護士に相談し、第三者への売買目的でなく、自らが相続する土地に関し、その評価額を使用借権による低減するなどは無いと確認し、すすめもあって、家裁調停に持ち込みました。

そこで、地価の公平なる算出に、土地鑑定士による評価を行おうと進めていましたが、調停員は、「裁判官の意見を聞いたところ、使用借権は有る程度認められ、土地の鑑定結果は使用借権相当額を引いたものになる」と言うのです。

また、その使用借権に係わる評価減額率はどの様になるかを問うと、ハッキリ言いません。

調停で言うこと、先に弁護士に聞いたこと、何故、食い違いが有るのでしょうか。

もし、本当に使用借権が一定率認められるのであれば、それは、使用貸借権を無償で設定してもらっており、この権利に相当する額が特別受益といえると判断出来ませんか又、その場合特別受益の持ち戻し請求は出来ませんか。

(仁)

 

【土地の使用借権の評価について】

相続人の一人(乙)が、遺産の土地上に建物を建て、土地を無償で使用しているので、その土地には乙の使用借権が設定されています。

そのため、その使用借権の分だけ、土地が低く評価されます。

賃料を支払っている借地権などがある場合、その土地の価額は借地権価額を引いた金額になります。

借地権価額は路線価図に記載されている借地権割合を参考にして算定する場合が多いですが、使用借権については、路線価図にはなんらの記載もありません。

ただ、1~3割程度と評価される場合が多く、その分、遺産である土地の価額が低く評価されます。

【弁護士と裁判所の見解の相違について】

相談した弁護士からは、減価されないと説明を受けたようですが、現に、乙の建物が存在し、使用借権が認められることを前提にすれば、その分、土地の評価が下がるという裁判所の見解が正しいと思われます。

【使用借権による減価の回復】

甲の立場で、調停で主張できそうな点を考えてみましょう。

① まず、ご指摘のとおり、乙建物の底地を無償で利用させたこと、すなわち使用借権を設定したことが、生計の資本としての贈与であり、

特別受益にあたるでしょう。その際は調停の場において特別受益であることを主張しましょう。

② 乙が、23年前に建物を建築した際、被相続人が建築費を出したということであれば、その点からも特別受益の問題が出てくる可能性があります。

さらに全額を被相続人が出し、しかも固定資産税も支払っているというような場合には、この乙名義の建物は実質的に被相続人の遺産だということも可能かもしれません。

【調停の話と、先に弁護士に聞いたこと、何故、食い違いが有るのでしょうか】

遺産については民法に定められていますが、その条文はわずかに160条程度です。

多くの事案で、条文に書いていないことが問題となります。

また、関連する条文があっても、立場が違えば、違う解釈をするでしょう。

さらに言えば、弁護士がすべてを知っているわけでもありません(相続に詳しくないのなら、正しい答えを出すことができないケースもあるでしょう)。

これらのいずれか、あるいは複数があいまって、調停や裁判の結果と弁護士の見解が相違することがまま発生します。

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