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実例Q&A

共有不動産と固定資産税の負担について【Q&A №153】

2012年5月24日

使用貸借なし 固定資産税半分負担?

兄弟で親の土地を共有相続しました。

一人がその土地に住んでいます。

土地の利用に関して使用貸借はしていません。

持分の固定資産税の支払いを要求されています。

使用土地代をもらっていないので、代わりに全額固定資産税を使用者(住んでいるもの)が払うのが当然とおもいますが・・・どうでしょうか?

(cosmos)


【土地の無償使用は使用貸借です】

被相続人の親名義の土地に住んでいるということは、相続人の一人がその土地上の建物を所有しているという事案だと思われます。

「土地の利用に関して使用貸借はしていません」ということですが、その土地上に建物を所有しているのなら、親はその相続人が建物を建てて住むことを了承していたはずです。

契約書がなく、口頭での使用貸借の約束もない場合でも、建物を所有する相続人が親に賃料を支払っていない場合は法律上使用貸借契約が成立します。

土地について遺産分割協議をしていない場合は、遺産分割協議を完了するまで相続人は土地を使用貸借することができます。そのため建物を所有する相続人は土地の使用料を支払う必要はありません。

【固定資産税は誰が支払うのか?】

遺言がない場合には、遺産である土地は法定相続分の割合で共有することになります。

固定資産税は所有者に課税されますので、各相続人がその相続分に応じて固定資産税を支払う必要があります。

【使用者に固定資産税の負担を求めてもいいでしょう】

今回の質問では相続人の一人が賃料の負担なく使用しているのなら、固定資産税を全額負担するのが当然という気持ちは理解できます。

相続人間の公平性を考えれば、その使用者が全額を負担するべきだと提案されてもいいでしょう。

ただし、使用貸借は無償で利用できる権利ですので、固定資産税の負担を拒否されるかもしれません。

そのような場合には、遺産分割調停の申立をして、その土地は使用者である相続人に所有権全部を取得してもらって、あなたの相続分に該当する金銭(代償金)の支払いを求めていくという方法もあります。

そのようなことも頭に入れて交渉されるといいでしょう。

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