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実例Q&A

★生前の相続放棄について【Q&A №163】

2012年6月15日

 

 

【質問の要旨】

・相続が発生していない時点での相続放棄はできるのか

・相続が発生した時に、相続人のうち一名の取り分を最小限にする方法は?

【ご質問内容】

A夫人に子供が3人いますが,特別B子さんを可愛がり車を買ってあげたり家を買ってあげたりしていましたが,先日B子さんから(B子さんに心境の変化があったのでしょう)絶縁のような事を言われて・・・
B子さんに「相続放棄します」とまで言われたようです。

A夫人も相続放棄をしてほしいと思うようになりましたが,存命中の相続放棄の書類は有効でしょうか?

A夫人の相続が発生した時にB子さんの相続を最小限にするには現時点でどのような書類を用意するべきでしょうか?

よろしくお願いします

 

(ママ)

 

【生前の相続放棄は効力がない】

被相続人が生存しているときに、B子さんが相続放棄するという書面を作成してもその効力はありません。

したがって、B子さんとしては、A夫人の生前に、相続放棄の書面を作成していたとしても、A夫人が死亡した後には相続を主張することが可能です。

【遺留分の放棄をしてもらうことは可能】

但し、「遺留分の放棄」なら、家庭裁判所の許可を得てすることができます。

「遺留分の放棄」とは、たとえばA夫人が「すべての財産をB子さん以外の残りの2人に相続させる」というような遺言書を作成した結果、A夫人が亡くなった際に、B子さんのもらえる財産がまったくなかった場合、B子さんは、法定相続分の半分(今回の事案であれば、A夫人の相続人が子3人であるとすると、3分の1の半分で、6分の1になります)を「遺留分」として請求することが可能ですが、この遺留分を放棄する意思表示のことです。

この手続きをするには、家庭裁判所への申立が必要になります。

【B子さんの相続を最小限にするには遺言書を作成する】

上記に記載したとおり、A夫人が死亡したときに、夫が亡くなっていて、相続人が子供3人であるとすると、B子さんの取り分(法定相続分)は遺産の3分の1です。

ただ、A夫人が遺言書を作成し、B子さん以外の人に遺産を相続させるという内容を記載した場合、B子さんは遺産をもらえなくなります。

そのため、A夫人が、B子さんの相続分を最小限にしたいなら、B子さん以外の人に遺産を相続させる旨の遺言書を書くのが一番良いでしょう。

但し、上記にも記載した通り、B子さんが遺留分の放棄をしていなければ、遺言で遺産がもらえない場合には、そのもらえないことを知って1年以内に遺留分減殺請求をすることができ、遺産の6分の1の限度で遺産をもらうことができます。

ただ、B子さんはA夫人から車や家を買ってもらっているとのことなので、遺産の先渡し、つまり特別受益として、遺留分の計算の基礎に入れて計算されますので、特別受益の額によっては、B子さんの取り分をゼロにできるかもしれません。

【遺言書を作成しなかった場合にも、B子さんへの特別受益は問題になりうる】

A夫人が遺言書を作成しなかった場合にも、もちろん、B子さんの特別受益は問題になりえます。

他の2名の子としては、B子さんの特別受益分を持ち戻して、遺産分割をすることを主張し、B子さんの取り分を減らすべきです。

※相続法改正の影響

今般の相続法改正で、遺留分請求についても各種改正があり、令和元年7月1日以降に発生した相続については、特別受益は、相続前10年間になされたものに限り遺留分計算の基礎に入れることになりました。

そのため、本件質問のような事案でも、B子さんへの贈与が、被相続人の死亡より10年以上前になされたものである場合には、遺留分についての請求の基礎に入れることができません。

相続法改正についての詳細は、「相続法改正9 遺留分制度に関する見直し」をご参照ください。

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