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実例Q&A

★預金の使い込みをどう立証するか【Q&A №216】

2012年12月17日


 

被相続人預金の預金使い込みで不当利得返還請求訴訟で、共有財産となる被相続人名義預金を配偶者相続人が利用権を行使し全て消費した場合は、他の相続人は法定金額分の返還はされないでしょうか?

配偶者は被相続人が 入院中に預金を不当に使い込みをしており1年くらいで3000万円を生活費等に費消したと審判で主張しています。

(遺産分割審判では特別受益とならないとされました)被相続人に許可なく不当に預金の引き出し、使い込みを立証できますでしょうか?

ご教授の程宜しくお願い申し上げます。

 

(マリン)


【被相続人の預金の生前の不当取得について】

被相続人に無断で配偶者が預金を引き出した場合、その配偶者は不当利得及び不法行為に基づきその引き出し分を被相続人に返還する義務があります。

ただ、被相続人の医療費・介護費等に使われたことが明らかな分は返還する必要がありませんが、使途不明金や配偶者が生活費等とは無関係に費消したような場合には、その額を返還する必要があります。

被相続人が生きている場合には、被相続人自身が配偶者に対して返還請求をします。

被相続人が死亡した場合には、その相続人が各人の法定相続分に従って配偶者に対して返還請求をすることができます。

【相手方の反論について】

配偶者という立場であれば、ある程度の金額を生活費に使うと言うこともありえますが、それもせいぜい通常は10万~20万円程度の範囲であり、1年間で3000万円というのは多額すぎます。

金額が多額であることや被相続人の預金通帳や印鑑を扱える配偶者という立場から考えて、配偶者が明確な使途を明らかにしない限り、配偶者が預金を取り込んだという点の証明はそれほど難しくはないでしょう。

【今後の手続きについて】

今回の預金の引き出しは、被相続人の意志に基づくものであれば、特別受益の問題も生じますが、無断で引き出したのであれば、審判で言われているようにと特別受益にはならず、不当な引き出しとして返還請求するということになります。

遺産分割審判をしているということのようですが、この手続きの中では、不当利得返還等を争うことはできません。

そのため、今後、地方裁判所で不当利得等の返還請求訴訟をする必要がありますが、金額が多額であること、相手方の態度が悪質であること、手続きが素人では難しいことなどを考えれば、是非、証拠関係書類なども吟味してもらう必要があるので、早期に相続に詳しい弁護士に法律相談されるといいでしょう。

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