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実例Q&A

相続人の夫への資金援助は特別受益になるのか【Q&A №230】

2013年1月28日


 

 

名義は妹夫婦共有ですが、ローンは夫名義の妹の住宅への父からの生前の資金援助(数千万)は、特別受益になりますか?

それとも、相続人以外という事で、持ち戻しは、不可能ですか?

 
 
 
 
 
(おばさん)

 

 

【特別受益は相続人間にのみ問題になります】

特別受益はあくまで相続人間での公平を図るための制度です。

今回の質問では、生前の資金援助(贈与)を受けたのは、相続人である妹ではなく、妹の夫のようです。

相続人以外の人ですので、持ち戻すことはできないように思われます。

【実質的には妹への贈与かもしれません】

ただ、今回の質問の場合、住宅は妹夫婦の共有名義です。

ローンには抵当権等の担保権が設定されているはずであり、妹の共有持分にも担保が設定されているはずです。

妹夫婦の名義の住宅ローンが完済されることによって、妹の共有名義に設定された担保権は消滅します。ここで妹がローンの連帯保証人になっていた場合にはその保証債務も消滅します。

その点を考えれば、父が、妹の夫の住宅ローンを弁済するための資金を提供することによって、妹が担保権の消滅という利益を受けることになります。これが特別受益にあたると主張することも可能でしょう。

特別受益にあたる場合には、贈与全額のうち共有持分の割合に応じた金額分を持ち戻すことになるでしょう。

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