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実例Q&A

夫が受け取っていた賃料の相続【Q&A №265】

2013年4月8日


 

 

 

自営業で、主人の母(お義母さん)が家計を管理していました。主人の死後は別会計で生活しています。

お義母さんと主人の共同名義(割合は2分の1)となっている借家の家賃を、主人の死後もお義母さんが独り占めしていて、話し合いにも応じません。

主人の相続人は私と未成年の子供ひとりです。借家の土地はお義母さん名義で借家管理はお義母さんがしています。

どのような手続きをしていけば受け取ることができますか。

 
(HANA)

 

 

【ご主人と義母が連名で貸家契約をしていた場合】

まず、義母とご主人が共同して賃貸人となっていた場合には、そこから生じる賃料は義母と夫が2分の1の割合で分け合います。

そして父について相続が開始した場合には、あなたと子が上記賃料債権の半分を相続します(ここであなたと子は各4分の1の割合で賃料債権を取得することになります)。

これを義母が独り占めしていた場合、義母は他人の権利から不当に利益を上げていることになります。

その結果あなたは、あなたと子の賃料債権を併せて、義母に対し、夫の死亡後に発生する賃料の2分の1に相当する額の支払を請求することができます。

義母が支払ってくれない場合には、以後の賃料を賃借人に対して請求することも考えられます。

【義母が単独で貸家契約をしていた場合、賃借人に請求できない】
 
もっとも、家屋が共有であったとしても、賃貸人名義は共有者のうちの1名になる場合が多く、本件の場合も、賃料の支払いを義母が受けているようですので、義母単独で賃貸人となっている可能性が高いと思われます。
 
この場合、賃借人に対して賃料を請求できるのも受け取ることができるのも、お義母さん一人です。

【義母に請求はできないか・・】

そもそもあなたと子は生前の夫の地位を引き継ぎます。

ご主人が生きている頃、賃料の扱いはどうなっていたのでしょうか。
 
ご主人が賃料の半分を義母からもらっていたのであれば、ご主人は義母に対して賃料の半分の請求する権利を有していたことになり、相続人であるあなたが義母に賃料を請求することが可能です。
 
しかし、ご主人が義母から賃料を全くもらっていなかったのであれば、親子のよしみで義母に無償で建物を貸していたということになり、ご主人には賃料をもらう権利がなく、相続人であるあなたとしても、義母に請求できる権利はないということになります。
 
ただ、今回の質問では、ご主人と義母が家計を共通にしていたようですので、ご主人の生前、家賃が義母とご主人との共同の家計に組み込まれていたという可能性が高いと思われます。
 
そうであれば、実質的にはそれぞれの家賃相当額2分の1ずつを双方が分割して取得していたという理解もできるでしょう。
 
このような場合であれば、あなたは義母に対して家賃を2分の1、渡すよう請求できる可能性があります。

【義母が支払ってくれない場合には・・】
 
いずれにせよ、義母に賃料の半分を支払ってほしいという請求をする必要があります。
 
ただ、義母が支払ってくれない可能性もありまので、そのような場合には、義母を相手方にして、賃料の支払いを求める調停を申立することも考えてもいいでしょう。
 
調停の手続きについては、賃料のみの支払いを考えているのであれば、相続を扱う家庭裁判所ではなく、簡易裁判所で手続きをすることになると思われます。
 
調停は裁判とは異なり、専門家ではない一般の方でも十分に対応できますので、裁判所で手続き等をお聞きになるといいでしょう。

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