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実例Q&A

特別受益の価格をどう評価するか。【Q&A №276】

2013年5月10日


 
被相続人の土地を、被相続人が口頭で贈与すると言ったが、所有権移転手続きは行われていない状況で贈与したとみなされるのでしょうか?
それとも所有権移転が終えた時点で贈与とみなされるのでしょうか?  
実は受贈者より、贈与を受けたときの地目は畑だったが、受贈者の行為によって宅地に変更されたので、民法904条の「贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。」と規定しているので、「畑」としてその相場を評価する、と言われました。
所有権移転が終えた時点で贈与であれば、そのときの地目が宅地であれば民法904条の規定には当てはまらないと思うのですがどうなんでしょうか?

 どうかアドバイスよろしくお願いいたします。

記載内容   宅地 評価 基準時

(nack)



【口頭でも贈与は可能ですが、証明ができるかどうか・・】

贈与は口頭での契約で成立します。
そのため、贈与に関する書面がなくとも、又、登記が移転していなくとも、贈与が成立します。
問題となるのは、その贈与があったことをどのように証明するか、ということです。
不動産は重要な資産ですから、通常は、登記という権利の移転を証明するような方策をとるのが普通でしょう。
もし、口頭での贈与を主張したいのであれば、口頭での贈与を裏付ける事実を証明する必要があるでしょう。
まず、贈与について、親戚や関係者、近隣に告げていた等の事実があれば、口頭での贈与の存在を裏付ける事実として役立つでしょう。
又、贈与に伴い、当該不動産の使用者が贈与者から受贈者に替わったという事実があったり、固定資産税の支払いも受贈者がするようになったというような事実があれば、それらも贈与を裏付ける事実になるでしょう。

【農地であるとすれば・・】
なお、本件では地目が畑という農地であり、農地法の適用を受けます。
農地の場合、土地の所有権を移転するためには、農地法により農業委員会の許可が必要となります。
その許可を得ていない場合には、当事者間での贈与の合意が証明できても、それだけでは所有権移転の効力が生じないということになります。

【特別受益は畑として評価されるのか?】
生前贈与が特別受益であるとされた場合、その財産は遺産に加えられます(持ち戻しという制度です)。
その財産の評価は、相続開始時点で、特別受益である≪贈与があった時点の原状≫での評価となります。
そのため、贈与の効力が発生した場合に農地であったのか、宅地であったのかでは評価額が大きく異なってきます。
もし、農業委員会の(贈与に対する)許可があった時点で贈与があったということであれば、贈与が効力を発した時点(=許可時)時点では対象地は農地であったことになり、相続時の評価も農地で評価されることになります。
しかし、贈与が効力を生じた時点(=許可時)で、その土地がすでに宅地化していたのであれば、相続時の評価は宅地ということで扱われることになります。

【受贈者の行為での宅地化という点は・・】
本件の質問では、受贈者の行為により≪宅地化≫されたと記載されています。
通常、農地の宅地化には農業委員会の転用許可が必要です。
その場合の申請人名義は誰だったのでしょうか。
もし、被相続人が申請人であったのなら、その時点では贈与が成立しておらず、贈与はそれ以降になされたとしか言えないことになります。
あるいは、転用許可が必要ではない形で宅地化したのでしょうか。
メールの質問では、その点が明確ではないので、はっきりした回答ができません。
さらなる回答が必要なら、法律の専門家である弁護士に相談されるといいでしょう。

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