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実例Q&A

全財産を生前贈与した兄の相続【Q&A №277】

2013年5月15日


 
兄が2年前に胆のうがんで余命宣告され、今年の1月に亡くなったのですが、2年の間に兄の妻が名義変更を兄にせまり、土地や預貯金の名義を全て、兄の妻名義に変更しました。兄には子供がいないのですが、生前の名義変更のため、兄弟への相続はないと考えるしかないでしょうか?
また、故祖父名義の土地と家があるのですが、兄が生きている時は兄が権利書等を管理していて、口頭で、亡くなった後は私に任せると兄の妻の前で言っていたのですが、兄の妻は今になって聞いていないといって、祖父母の位牌や権利書を渡してくれません。
いつまでも空き家にしておくのも近所の方に心配されているので、何とか早期解決したいのですが・・・方法はあるのでしょうか?

記載内容  判断能力 生前贈与 約束 口頭

(みっちゃん)



【全財産の生前贈与の場合、兄弟の相続権はない】

遺産分割は被相続人が死亡時点に所有していた財産について、それを引き継ぐ人間を決めるというものです。
本件質問のように、お兄さんがその財産全部を、奥さんに生前贈与した場合、その財産は相続の対象にはなりませんので、あなたとしては相続するべき財産がないということになります。
なお、死亡直前の生前贈与ですので、遺留分減殺請求ができそうですが、残念ながら被相続人の兄弟には遺留分は認められておりません。
結局、あなたとしては預貯金の生前贈与に対して、相続分割については対象となる財産がなく、遺留分請求も認められないために、打つべき方策がないということになります。

【祖父名義の土地建物の贈与の証明ができるか・・】
お祖父さん名義の土地と家については、その相続人が相続します。
そのため、本来ならあなた方のお父さんやおじさんやおばさんが相続人となりますが、今回の質問ではこのような点の記載がありませんので、お祖父さんの不動産の相続人はあなたとお兄さんだけであるとして回答します。
お兄さんが≪口頭で、亡くなった後は私に任せる≫と言っておられたようですが、この趣旨を贈与だと理解できるのであれば、お兄さんの死亡を条件としての贈与だというとになります。
その前提で考えると、贈与が認められた場合には、お兄さんの死亡後は、その不動産のうち、お兄さんの有する持ち分はあなたが取得することになります。

【問題は、贈与を証明できるか・・】
しかし、お兄さんの前記発言があったことや、その発言の趣旨が贈与であるということは、あなたの方で証明する必要があり、それができないと贈与は認められません。
贈与に関する書面などは全くなく、お兄さんの奥さんが、お兄さんの発言を否定しているのであれば、証明は難しいのではないでしょうか。
お兄さんの相続人が、あなたとお兄さんの奥さんであるとすれば、あなたとしては、お兄さんの奥さんと話し合いをして、この土地と家をどう引き継ぐのかについて合意しない限り、名義を換えることはできませんし、売却もできないでしょう。
奥さんとの話し合いをするのが最も早い解決ですが、それが困難であるとすれば、お祖父さんの遺産について、その分割についての調停の申立てをし、家庭裁判所で調停委員に入ってもらって、問題を解決するのがいいでしょう。

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