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実例Q&A

★兄弟の口座に移した両親のお金【Q&A №382】

2014年6月4日


 

両親が高齢のため施設に入るにあたり、これまで遠方にいた弟がそちらの施設に入れるという話になり、この度両親を転居させたのですが。

その際今後両親がボケてお金を引き出せなくなるからと、弟は自分の口座に両親の貯蓄したお金と、母親を銀行の窓口に連れて行き定期を解約し1000万円を移しました。

また実家も、今後の病気に備えるということで弟が売却の手続きをし、この度1400万円ほどで売れたのですが、こちらも自分の口座に入れる予定で、こちらには一切渡さないと明言しております。

この場合、両親の名義ではなくなってしまったお金・財産の相続はどうなるのでしょうか? 相続そのものが発生しないのでしょうか?

こちらの言い分は一切を認めないため、本人とまともな対話もできず困っています、

彼は両親に出す生活費を切り詰めており、親族のことながらあまりよくない予想を抱かざるおえません。

今後いずれくる時に介護で使いきったと言い切られれば追求も難しく、この場合はどうなるのか教えていただけたらと思います。

記載内容  介護 贈与 預かり金

(立川)

 

【介護費用の預託になる】

弟さんとご両親との権利関係としては、ご両親が弟さんに《将来の介護費用》として《金銭を預けた》ということであり、少し難しく言えば《介護費用を預託》ということになります。

そのため、弟さんとしては、両親の介護のためにのみ、預かった金銭を支出することができるはずです。

しかし、現実の問題としては、介護のためだけではなく、弟さんの私的な目的に使用されるのではないか、あるいは介護のためと言っても本当に介護のためであることをどのように証明してくれるのか・・・等、いろんな疑問が浮かんできます。

ただ、ご両親が生きている限り、あなたにはご両親の金銭問題について、なんらの意見をさしはさむ権利はありません。

【弟さんの管理している預託金の返還を求めることは・・】

現時点では、ご両親は認知症等で物事の判断がつかないという状態ではなさそうですが、将来、認知症になり、その程度がひどくなった場合には、あなたとしては、ご両親につき成年後見人選任の申立を家庭裁判所に提出するという手段があります(その方法はQ&A №280Q&A №349Q&A №376をご参照ください。)。

成年後見人がつけば、その時点でのご両親の財産は全て後見人が管理します。

その段階で、ご両親が弟さんに預けていた金銭を、後見人が返還してもらい、その管理下に入れます。

しかし、弟さんが既に私的に流用していた場合、その分の返還請求を成年後見人がしてくれるかというと、その可能性は必ずしも高くはないでしょう。

成年後見人としては、とりあえず現在の財産の管理という点に重点があり、過去に散逸した財産の回復というところまでしない場合が多いようです。

【相続が開始したときにはどうなるか】

お父さんあるいはお母さんが死亡したとき、相続が開始します。

その時点で、預託していた金銭が残っているのであれば、その金銭の返還を求める権利(預託金返還請求権)は遺産になりますので、あなたは法定相続分に応じて返還請求ができます。

又、預けた金銭のうち、弟さんが自分の必要に応じて使った金銭があれば、ご両親としては目的外使用として、損害賠償請求ができますので、この権利も遺産になり、法定相続分に応じてあなたが弟さんに賠償請求をすることができます。

【問題は証明できるかどうか】

ただ、損害賠償を請求する側(あなた)としては、弟さんが私的に流用したという点を証明する必要があります。

本来は生前からそのような証拠を集めるのが望ましいです。

しかし、ご両親の死亡前には、法律的な意味では、あなたが弟さんに直接、預託金の使用状況を確認したり、裏付けとしての領収書等を請求することはできません。

もちろん、あなたが請求して、弟さんがそれに応じてくれればいいのですが、そのような申入れは弟さんの反発を招くだけの結果に終わる可能性が高いと思われます。

又、ご両親としては、法律上、使途や金額の報告を求め、あるいはその裏付けを請求できるので、あなたがご両親を説得して、そのような申入れをして頂くということも考えられますが、実現する可能性は低いでしょう。

そうすると、ご両親が死亡した後に、早期に、弟さんにどれだけの金額を何に使ったのか、その裏付けはあるのかを確認されるといいでしょう。

又、その一方で、ご両親のおられる介護施設等に支払った金額を確認されるといいでしょ。

ただ、残存している金額が、介護した期間や介護内容を比較してあまりにも少額というのであれば、調停や訴訟で返還を請求することになります。

そのような場合は、早期に相続に詳しいお近くの弁護士に相談され、その後の対処方法のアドバイスをもらうといいでしょう。

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