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実例Q&A

認知症の父の口座からの不正出金【Q&A №435】

2015年3月12日

 

 

要介護5で全く意思疎通ができない父の預金から兄が、過去8年にわたり年に2~3回、1回の金額は100万円程度を母に頼まれたという理由で引き出していることが最近になってわかりました。

キャッシュカードはなく、すべて伝票に署名捺印で下しています。

不公平感が否めなく、生前贈与を認めさせ、私の相続分を取り戻したいと思っています。

父がまだ生存中なのでどうするのがベストなのかお聞きしたいです。

ちなみに、現在、父の成年後見制度申請中です。

記載内容  使い込み 認知症 要介護

(てる)

 

【相続開始前にはあなたには法的にはなんらの権利もない】

お父さんに意思能力がないのであれば、お父さんはその預金を引き出すことができませんし、又、お母さんやお兄さんに引き出しを依頼することもできません。

又、その預金はお父さんの財産ですので、お母さんが同意しても、その引き出しが正当になるようなものでもありませんので、お兄さんの預金引き出し行為は無断引き出しとなります。

そのため、お父さんはお兄さんに対して不法行為や不当利得を理由として、その引出額相当の損害賠償請求権あるいは返還請求権を持つことになります。

これらの権利は、将来、お父さんが死亡した場合には、法定相続分に応じてあなたが相続することになりますので、相続開始後であれば、あなたからお兄さんに損害賠償あるいは返還請求ができることになります。

ただ、現時点では、お父さんが生存しておられますので相続は開始しておりません。

あなたは、将来、相続人となる立場(推定相続人といいます)ですが、現時点では、法律的にはあなたには何らの権利もありません。

お父さんの財産がなくなるような事態が発生しても、又、お父さんが前記のような権利を取得していても、残念ながら、あなたとしてはなんらの法的手段も取ることはできません。

【成年後見人の選任とお兄さんへの返還請求について】

現在、お父さんの成年後見人を選任する手配をされているようです。

たしかに、現時点である財産を減少させないということでは成年後見人の選任は極めて有効な手段です。

ただ、後見人が、既に無断で払い戻しされている金銭を取り戻すというところまで積極的に動くことはまずありません。

【現時点でとるべき手段は資料や情報の入手です】

将来、お父さんが亡くなられた場合、あなたは法定相続人として、お父さんが有している損害賠償(不当利得)請求権を法定相続分で相続することになります。

その時点で、あなたとしてはお兄さんにその請求権に基づき金銭の返還請求をすることが可能です。

そのための資料として、どこの金融機関のどの支店からいくら引き出されたのかという資料や情報が必要になりますので、現時点で入手できるものは、できるだけ入手しておくといいでしょう。

なお、将来、あなたが請求されてもお兄さんが簡単に引き出した金銭を返還するとは思われません。

お父さんが死亡された場合には、早期の段階で弁護士と相談され、お兄さんに対する素早い対応が可能かどうかを検討されるといいでしょう。

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