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実例Q&A

承諾の対価の相場はありますか?【Q&A №443】

2015年5月14日

 

 

昭和37年に祖父がなくなった際、長男に土地を相続させるため長男以外の長女、次女、三女(亡くなった母)、次男、四女は「ないことの証明」を提出しましたが、

次男、<四女が未成年だったため、長男、次男、四女の3人の共有登記をしました。

平成17年になって、三人の間で8割の土地を長男、次男・四女がそれぞれ1割の土地を取得するような、始期付移転仮登記をしましたが、

その際登記原因を相続ではなく、3人間の贈与にしていました。

昨年秋、長男がなくなり、長男の子供と次男、四女が相続手続きをしようとしたのですが、

これでは贈与税がかかるので、それを回避するため、当初の遺産相続から手続きする必要があるので、

私(三女の子供)に「ないことの証明」の提出を迫ってきます。

承諾するにあたり、対価を要求したいのですが、何を基準に交渉すればいいのでしょうか。

記載内容  相続分がないことの証明 特別受益証明書 相続登記の取り消し 承諾料

(がいちゃん)

 

【承諾料の相場はありません】
 

質問にある承諾料ですが、相場というものはありません。

私(大澤)の(約40数年間の)経験から言えば、承諾料(私は《判つき料》と言っていましたが)は通常は30~60万円で、安いケースでは十数万円でしたし、高いケースでも150万円程度でした。

ただ、物件の金額によっても異なってきますし、承諾により放棄する権利の内容によっても異なります。

私の場合では、不動産額が何千万円というような多額のケースはありませんでしたので、それほど参考にならないかもしれません。

【承諾料を決める場合に考慮するべき点】

ただ、承諾料を決める際に次のような点を考慮します。

①承諾書を受け取る人はどの程度の利益を受けるのか?

例えば不動産はどの程度の価額なのか。

承諾書をもらう人はそれによりどれだけの利益を受けるのか。

②承諾する人はどのような権利を持ち、その放棄によりどの程度の損害を被るのか?

承諾書を提出するということは権利を失うということです。

そのため、その権利がどのような権利なのか・・はっきりとした権利なのか、争いのある権利なのかも考慮に入れることになります。

③承諾する人と承諾書をもらう人とはどのような人間関係にあるのか?

承諾書を提出してまで協力しなければならないような人間関係であるのかどうか?

【長男がしようとしていることは・・】

あなたのお母さんは既に承諾書(特別受益証明書)を出されており、その結果、あなたのお母さんは相続登記から排除されているのですから、法的にはあなたには何らの権利もありません。

お祖父さんの遺産である不動産はおそらく長男を含む3人で3分の1づつの共有持ち分で相続登記されたのでしょう。

今回、この不動産を共有物分割して、長男が80%、その他の2人で10%づつの割合で分割取得したとします。

その場合、長男としては、登記では3分の1(約33.3%)の持ち分のところ、80%が来るのですから、約46.7%も余分にもらうことになり、その増加分に対しての贈与税を支払う必要があります。

そのため、長男はお祖父さんの遺産の相続登記を錯誤等を理由に過去に遡って、抹消し、新たに長男が80%(10分の8)、次男や四女には各10%(10分の1)づつの相続登記をするのか、あるいは長男が単独で所有権を取得して登記し、次男や四女には10%相当の代償金を支払うという解決を考えているのでしょう。

【結局、どの程度をもらえそうなのか】

この前提であれば、長男の受ける利益は最高で贈与税額分ということになります。

一方であなたの側が失う利益はない(もともと、権利がないのですから)ということになります。

不動産価額もわからず、また贈与税額もわからないのですが、あまり多額の承諾料はもらえないケースと考えておかれる方がいいでしょう。

【相続のやり直しが可能なのか】

お祖父さんは昭和37年に死亡されているのですから、おそらく相続登記は今から約50年以上前になり、しかも、不動産には相続登記を前提として仮登記が付けられています。

また、お祖父さんが死亡した当時の法定相続人の中には死亡された方もいます。

このような錯誤をしたという法定相続人が死亡しているような物件につき、法務局が錯誤を理由にする相続登記の更正を認めるのか、また、仮に法務局が認めたとしても税務署がそのような登記を前提での税務申告を認めるのかどうか疑問があります(長男としてはこれらの点を予め司法書士及び税理士に確認しておく必要があるでしょう)。

以上の次第ですので、あなたとしては、長男がくれるのであれば、金額が少額であっても(例えば数十万円程度であっても)もらっておき、その際、《登記ができようができまいがもらったお金は返還しないよ》という対応をされるのが一番、妥当なところのように思います。

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