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実例Q&A

後妻の、祭祀の義務について【Q&A №448】

2015年5月28日

 

 

【質問まとめ】

祭祀の承継について質問です。

妻と実弟である養子が相続人です。

その養子が祭祀について費用負担等一切を拒否しています。

祭祀の執り行いと費用負担は、妻が行わなければならないのでしょうか?

お骨や位牌は、①父、②父の先妻、③父の先妻との間の子、④父の親のものです。

記載内容  祭祀 後妻

【質問詳細】

数年前に母が再婚。

再婚相手の男性を父と呼びます。

父も再婚で先妻とは死別、実子も病死。

先妻が存命中に、父は祭祀を血縁で引き継いでもらうために実弟(既婚、子息あり)と養子縁組してます。

母と再婚の際、私とは養子縁組してません。

先日父が亡くなり、最近母と実弟とで遺産分配の目処がつき、祭祀について話合に入りました。

実弟は祭祀について費用負担も含め一切を拒否、仏壇や墓の処分を要求してます。

ちなみにお墓のお骨や仏壇の位牌は、父及び実弟の両親と兄弟と、父の先妻と実子のものです。

祭祀全ての執り行いと費用負担は、母が全て行わなければならないのでしょうか。

(goo)

【祭祀の承継とは】

祭祀とは祖先を祭る等の宗教的な儀式を行うことであり、それを中心となって執り行うのが主催者です。

例えば、葬儀の喪主というのをイメージするとわかりやすいでしょう。

死亡された方の一切の財産は相続人にいくのが原則ですが、このような祭祀に関係する物や権利(例えば仏壇や墓の権利)などは例外として、祭祀を主催する者が受け継ぐことになります。

【指定が無ければ慣習、慣習もなければ裁判所】

祭祀の承継については民法(末記条文を参照ください)で定められています。

まず、被相続人の指定があればその人が祭祀の承継者になり、そのような指定がない場合には慣習で決定されます。

ただ、慣習というものがどのようなものかは必ずしも明らかではありません。

民法では、慣習が明らかではない場合には家庭裁判所で決めるとされています。

指定  慣習 ⇒ 家裁

【現実問題としては】
 

慣習といえるかどうかは明らかではありませんが、普通なら子供(複数おれば長男)か、配偶者が祭祀の主催者となるケースがほとんどでしょうが、現実問題としては、残された遺族間で、他の親族との関係も考慮して決定されるようです。
 

さて、本件の質問の回答ですが、《法的には》お義父さんの指定がないのであれば、慣習に従って決定され、それが明らかではないというのであれば家庭裁判所で決定してもらうというのが回答になります。
 

ただ、養子であるお義父さんの弟が祭祀の主催者となることを拒否しているのであれば、お母さんが祭祀の主催者にならざるを得ないでしょう。
 

なお、祭祀の主催者になったからといっても、法事などしなければならないという義務はありませんので、出すべき費用がないというのであれば49日や一周忌などの法事をしないという選択肢もありえます。

【仏壇や墓の処分について】
 

なお、養子であるお義父さんの弟さんは、仏壇や墓の処分を要求しているとのことですが、これらの物や権利は祭祀の承継者が単独で取得します。
 

そのため、お母さんが祭祀の承継者となるのであれば、これらの物や権利の維持管理や処分については、養子の意思とは無関係に、お母さんが独自に決定されるといいでしょう。

<参考条文・祭祀の承継について>

第896条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に專属したものは、この限りでない。

第897条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2 全校本文の場合において慣習が明らかでないときは、同行の権利を承継すべきものは、家庭裁判所が定める。

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