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実例Q&A

借名預金は遺産になるか【Q&A №483】

2015年12月16日


【ご質問の要旨】

父の死後、遺産分割協議がされたが、その後、父が貯金していたと思われる義母名義の口座が見つかった。

この口座のお金を、父の遺産として相続することができるか。

記載内容  借名預金 名義貸し 意思能力

【ご質問の内容】

父が平成24年1月に亡くなりました。

私は、外国に住んでいるので、弁護士とやりとりして、情報が金庫から見つからない状態で、父の銀行口座などを昔家で見かけた銀行や郵便局からのタオルやカレンダーを元に銀行の変遷を加味して、幾つかの口座を見つけて、其れを義母と等分しました。

義母は、介護2で気が定かでは有りません。

義母は、老人ホームに入居して、父の会社の年金と国の年金と生命保険で暮らしています。

その後、今年の春、私が日本に行き、家の掃除やごみ捨てや片付けを2ヶ月程している時に、父の思いや毎年口座のお金のバランスや判子や銀行手帳、保険手帳、金庫を開ける数字などが出てきました。

その中に父が最後迄管理していた父の口座と義母名義の銀行口座が出て来ました。
義母は働いていません。

この口座は父のお金だと思うのですが 半分貰う権利が私にあるのでしょうか。
残された家族は私と義母の2人だけです。

(yspads)


【原則は名義を基準に判断】

今回のような家族の名義を借りた預金を一般に「名義預金」や「借名預金」などといい、一昔前はよく見られました。

このような預金であっても、外形上は名義人から判断され、特に誰も指摘をしなければ銀行は義母の預金であるとして各種手続を進めると思われます。

【預金を行った人物を実質的に判断】

ただ、中身の金銭を積み立てた実質的な預金者が別に存在することが判明した場合、話が変わってきます。

すなわち、預金の中身は、実際に預金を行ったお父さんの財産(遺産)であると判断される場合もあるということです。

この場合、あなたにも法定相続分を相続する権利があることになります。

そのため、この点が裁判で争われた場合に、生前の生活状況や収入状況などを当時の資産(たとえば給与口座の取引履歴など)から判断し、名義預金であったことが認められるケースもあります。

但し、義母のものではなく、お父さんのものであるという点の証明はあなたの方でする必要がありますから、裁判所がお父さんのものであることを十分に納得するような証拠を出す必要があります。

もしお父さんが預金したことに間違いなさそうでしたら、他の預金口座の取引履歴などと照らし合わせ、お父さんの口座からその義母の口座に積み立て(送金など)されていることなどの事情を確認されると良いでしょう。

【意思能力の問題が予想される】

ただ、実際の手続は厄介なものになる可能性があります。

今回は(少なくとも形式上は義母名義のため)義母にもお父さんの遺産であることを認めてもらい、その旨の書類に署名押印をしてもらって銀行に提出する必要があると思われます。

しかし、義母が気が定かでない状態であれば、義母が意思能力を欠いて署名押印ができない(あるいは、署名があっても無効になる)可能性があります。

この場合、義母に成年後見人を付ける申し立てが必要となるなど、面倒な手続が必要となりますので、ご注意ください。

また、成年後見が必要なケースであるとすると、以前にした遺産分割協議も無効になる可能性もあることに注意が必要です。

 

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