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実例Q&A

90歳母の土地資産が売買により全て兄に移転登記すみ【Q&A №643】

2019年4月8日

 


【質問の要旨】

すでに売却された土地は遺産になるか

記載内容  土地  売買   移転登記

【ご質問内容】

私は東京在住の次男63歳。3歳上の兄との二人兄弟だが兄弟仲悪く行き来はほとんどない。

90歳の母は現在関東近県の施設在住で親族は上記3名のみ。

母は2千坪以上の土地資産を所有。

母の体調悪化してきたので先日訪れて相続はどうするつもりか訊いたところ、ずいぶん前に遺書書いてあり兄に土地は渡すが遺留分を考慮して不満のないようにするとのことだがはっきりしない。

土地の登記内容、税金なども全くノータッチだったのだが気になり、地元の不動業者に電話して地積、時価等尋ねたところ、ビックリしたことに当該土地は3年前に母の名義から、兄名義に売買により移転登記済みとのことだった。

むろん私にはまったく知らされておらず、現状ではこの2千坪の土地資産には相続権がないことになるが、いかがでしょうか。

 

(Mayのパパ)

 ※敬称略とさせていただきます。


【売却により所有者が変わっていれば、原則として母の遺産ではない】

生前に母が自らの名義の土地を売却したという場合、その土地はすでに母の所有ではないということですので、原則として遺産にはなりません(したがって、土地に対する相続権はないということになります)。

これは、母が第三者に売却した場合のことを考えれば理解しやすいでしょう。

本件では、すでに兄名義に登記も完了しているということですので、母と兄との間の売買契約書が存在していることまでは確かでしょう。

 

【売却価額が不相当に安価な場合など、特別受益になることはありうる】

ただ、親子間の売買ですので、

1.売買といいながら実際には兄から母に代金が支払われていない場合や、

2.売買代金が、時価に比べて不相当に安価な場合もありえます。

これらの場合には、母から兄への特別受益となり、母の遺産分割時に、その特別受益分を遺産に持ち戻して計算することになります。

この時に持ち戻す金額は、上記①のように代金が支払われていない場合は土地価額全額、②のように代金は支払われているものの安価な場合には、時価との差額相当額、ということになります。

 

【母に確認できることは確認しておく】

このまま母が亡くなってしまうと、遺産分割協議の際に兄は、「自分はお金を払って取得したのだから、特別受益ではない」と主張してくるでしょう。

そのため、現時点で、母から売買の詳細について聞き取りをし、売買契約書や当時の通帳があるなら見せてもらって、現実に兄から母に代金が支払われているのか、その額はいくらかを確認しておくべきでしょう。

また、合わせて、不動産屋に頼んで土地の査定をしてもらい、額の妥当性を判断しておくことも必要です。

その上で、もしも現実に代金が支払われていないのならその旨を母に一筆書いてもらっておいたり、母の通帳の該当ページをコピーしておくなど、母から得られる証拠はできるだけ集めておいて、将来の遺産分割時に対処できるように準備しておくことが、今あなたにできることだと思います。