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実例Q&A

相続法改正9 遺留分制度に関する見直し

2019年8月30日

【遺留分制度とは】

遺留分制度とは、遺言や生前贈与などにより特定の者だけが多額の財産を取得した場合などでも、特別に最低限の財産の取り分(遺留分)の取り戻しを認める制度です。

遺留分を請求できるのは、被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人です。

遺留分は、多くのケースで法定相続分の2分の1です。

この遺留分制度に関して、今回の民法改正により以下の2点の見直しが行われることになりました。

【見直し①遺留分減殺請求の金銭債権化】

これまでの法律では、遺留分を主張する者(遺留分権利者)が、遺贈等を受けた者に対して遺留分を求める請求(遺留分減殺請求)をすると、遺贈等は、遺留分を侵害していた限度で効力を失い、遺贈された財産は、その限度で遺留分権利者のものになっていました。

このとき、遺贈等を受けていた者は、その財産そのものを返還(現物返還)するのが原則で、そのものの代わりに金銭を支払う(価額弁償)のは例外という位置づけでした。

しかし、たとえば、不動産が遺贈されていた事案で、不動産の一部を遺留分権利者に返還しなければならないとなると、その不動産は複雑な共有状態になり、売るにも貸すにも一人ではできないという事態が度々生じていました。

そこで、改正法では、従前の取り扱いを抜本的に見直し、遺留分権利者は、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いのみを請求することができることとされました(これを「遺留分侵害額請求」といいます)。

例外はなく、そのものの返還をすることはできません。

ただ、必ず金銭で支払わなければならなくなったことにより、金銭を持っていない者については非常に困った事態になります。

そのため、この点に配慮して、遺留分侵害額請求を受けた者が、すぐにその額の支払いをすることができない場合には、支払いを一定期間猶予してもらうよう、裁判所に請求できることになりました。

【見直し②特別受益は相続開始前10年間にされたものに限る】

これまでは、遺留分を侵害しているとして問題にされる生前贈与の範囲について、法定相続人に対するものか、それ以外の者に対するものかで異なる取扱いがなされていました。

すなわち、法定相続人以外に対する贈与は、原則として相続開始前の1年間にされた贈与のみが対象になりますが、法定相続人に対する贈与のうち特別受益にあたるものは(特別受益については、【コラム】法定相続の概略と具体例その4:特別受益参照)、特段の事情がない限り時期を問わず(何年前の贈与でも)対象とされていました。

これが、今回の改正により、法定相続人に対する贈与(特別受益にあたるもの)について、相続開始前10年間にされたものに限ってその対象となり、従来の取扱いより、その範囲が限定されました。

ただし、贈与当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与したものは、これまでと同様に、10年以上前の贈与であっても遺留分算定の基礎となる財産に含まれることには、注意が必要です。

【この改正の施行日は、2019年7月1日です】

この、新しい遺留分制度の施行日は、2019年7月1日です。

相続開始時が2019年7月1日以降であれば、改正法が適用されます。

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