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実例Q&A

相続法改正11 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

2019年9月18日

【相続人以外の親族が被相続人の療養看護等をしたとき、金銭請求ができるようになりました】

たとえば、被相続人の長男の妻が長年介護をするというような事案は、よくあります。

しかし、これまでの民法では、被相続人の遺産を相続できるのは長男を含む相続人だけで、長男の妻自身には遺産をもらう権利はありませんでした。

これでは、相続人以外の親族による介護などの貢献が報われません。

そのため、今回の改正により、相続人以外の親族が、被相続人の介護や療養看護などを無償でしていた場合、相続人に対して金銭の支払いを請求できるようになりました。

【たとえば、長男の妻が長年介護をしていたケース】

例えば、被相続人の長男の妻が長年の介護を頑張ってきた事例で考えてみましょう。

長男の妻は親族ですが、相続人ではありませんので、通常は遺産をもらえない立場です。

それでも、被相続人の死亡時点で長男本人が健在であれば、長男の相続分を増やすことができる場合もあります。

しかし、もし被相続人より先に長男が亡くなっていたら、それすらもできません。

これでは、長男の妻の苦労があまりに報われず、不公平が大きいという問題が指摘されていました。

そこで、今回の改正で、長年無償で介護してきた長男の妻などの親族は、次男や長女などの相続人に対して、金銭(特別寄与料)を請求できるようになりました。

【特別寄与料の請求の要件】

特別寄与料の請求をするには、まず、被相続人に対する療養看護や介護、その他労務の提供をしていたことが必要です。

現在のところ、介護や看護が主に想定されているようですが、不動産などの財産管理や事業のサポートも含まれると考えられます。

また、これらは無償でやっていたことが必要で、被相続人から対価や報酬を受け取っていた場合には適用されません。

加えて、被相続人の財産の維持または増加に貢献したことも必要になります。

【特別寄与料の金額の定め方】

特別寄与料の金額と請求は、原則として当事者間での協議で決まりますが、協議が調わないときは、家庭裁判所に決定してもらうことができます。

このとき、家庭裁判所は、寄与の時期、方法、程度、相続財産の額、その他一切の事情を考慮して特別寄与料の額を定めます。

この算定にあたっては、相続人が自ら被相続人に対する療養看護を行った場合(寄与分といいます)と同様の算定方法がとられると考えられており、具体的には、以下のような計算式となります。

《計算式》
特別寄与料=第三者の日当額×療養看護日数×裁量割合

このうち、第三者の日当額とは、ヘルパーさんなどの第三者に療養看護をしてもらった場合にかかる日当額を目安にするとされていますが、介護報酬基準額を用いるという考え方もあります。

裁量割合とは、専門家(有資格者)に頼んだ場合よりは費用を控えめに計算するため、0.5~0.8を乗じて、寄与料を減額することになります。

たとえば、長男の妻が、被相続人を2年間にわたり、1日1時間程度介護していたという場合、身体介護(排泄、食事介助、入浴等)の介護費用がだいたい1時間あたり6000円として計算すれば、

  6000円×365日×2年間×0.7(裁量割合)=306万6000円

と計算され、介護をした長男の妻は、他の相続人らに対し、約300万円を特別寄与料として請求できるということになります。

ただ、家庭裁判所で判断をしてもらうことになれば、どの程度の介護をどのような頻度で何時間程度していたのかを何らかの形で立証することが必要になります。

そのため、日頃から介護日記をつけたり、関連する出費のレシートなどを保管したりしておくと良いでしょう。

【この改正の施行日は、2019年7月1日です】

この、新しい特別寄与制度の施行日は、2019年7月1日です。

相続開始時が2019年7月1日以降であれば、改正法が適用されます。

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