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★【コラム】非嫡出子の相続

2018年6月13日

最高裁判例変更!

妻以外の女性との間で生まれた子の扱い(非嫡出子)の相続分倍増!!

【非嫡出子は冷遇されていた】

 通常の場合、子は均等の割合で相続します。

しかし、平成25年まで、子のうちに、婚姻関係にない男女から生まれた子(これを非嫡出子といいます。いわゆる愛人の子がこれに当たります)は、他の嫡出子(婚姻関係にある男女から生まれた子:嫡出子といいます)の半分の相続分しか認められませんでした。

【最高裁は非嫡出子の相続分は嫡出子と同じだと判断した】
 最高裁判所は、非嫡出子の相続分を2分の1としていた民法は、遅くとも、平成13年7月時点で、憲法14条1項に違反すると判断しました(最大決平成25年9月4日)。

この判決では、嫡出子と非嫡出子の相続分の差別は、父母が婚姻関係にないという、非嫡出子がどうしようもできないことによる差別であり、相続分で非嫡出子を不利益に取り扱ってはいけないとされました。

そのため、現在では、非嫡出子は、嫡出子と同様の相続分を有することになりました。
【具体例でいうと】
 例えば、被相続人(A)には妻(B)と3人の子(C,D,E)がいるが、その子のうち、C,Dは妻Bとの間でできた子だが、末っ子Eは非嫡出子であったとします。その場合の相続分は次のとおりです。

配偶者B:2分の1
嫡出子C:6分の1
嫡出子D:6分の1
非嫡出子E:6分の1

【平成137月以前の判決や審判で確定した相続は有効】
今回の最高裁判例では、遅くとも平成13年7月以降までには憲法違反になると判断しています。

それ以前の相続はどうなるのでしょうか。憲法に違反するため無効となるのでしょうか?

既に確定しているような遺産分割を無効にすると、収拾がつかないようになります。

その点を考慮してか、確定した遺産分割は、例外的に本判決の影響を受けず、非嫡出子は、すでに嫡出子が不当に多く相続した財産の返還を請求することはできないとしました。

【戸籍の確認が必要】
 非嫡出子を排除した遺産分割協議は無効です。
 なお、妻以外の女性との間に子が生まれても、父親が認知しないと、子とは認められません。認知したかどうかは戸籍に記載されますので、戸籍を取り寄せすればすぐにわかります。

 遺産分割する場合には、きちんと戸籍を確かめることが必要です。

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