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実例Q&A

不動産の分割はいつの時点での価額を基準とするのか【Q&A №162】

2012年6月15日


 

20年以上前に死去した祖父の遺産相続  

父が亡くなり、母が一人息子の自分を連れて逃げるように去った、父の実家から唐突に電話がありました。

20年以上前に死去した祖父の遺産の相続を放棄しろと、30年以上連絡も取り合っていなかった叔父から要求されました。

祖父の死後、長年名義変更せず放置していたが、そろそろ名義変更しようとしたところ、自分に遺産相続権があるのを知って連絡してきたようです。

自分の遺産の分配の権利は四分の一だそうです。

遺産総額の一覧を貰いましたが、これは現在の相場による金額計算なのでしょうか。

預貯金の項目自体記載されていませんでしたし、祖父の死去当時いくらなのかもまったく分かりませんし、20年以上放置していたおかげで価値が下がっているとしたら、正当な価値より比べ物にならないほど低下しているはずです。

相続開始当時の相場による相続は出来ない物なのでしょうか?

 
(ぎゅんぎゅん)

 

 

【相続放棄は相続開始を知った時から3ヶ月です】

相続の放棄は、相続の開始を知ってから3ヶ月以内にしなければなりません。

祖父が20年以上前に亡くなったならば、もはや相続放棄をすることはできません。

従って、あなたは祖父の相続人であることになります。

【相続開始時点の価額での分割はできない】

遺産(不動産という前提で回答致します)は、遺産開始時すなわち祖父の死亡時点で引き継ぐものですので、相続開始時の価額を基準として考えておられるかもしれませんが、裁判所では遺産分割時点での価額で分割しています。

遺産分割時点の価額で分割するのが最も公平になると考えられるからです。

相続開始時点での価額と遺産分割時の価額が異なる場合、相続人としては遺産分割時の価額が高い物件の取得を希望するでしょう。

また、今は価額が低いが、相続開始時点ではもっと価額が高かったからといっても、これを納得する方は少ないでしょう。

【遺産の調査が必要と思われます】

相手方からもらわれた遺産総額の一覧に記載の価額が現在の相場による金額計算なのかどうかは、その一覧表をみないと回答できません。

仮に現在の価額としても、評価証明での金額を記載しているのか、あるいは路線価なのか、それとも相手方が勝手に評価した金額を記載しているかも確認の必要があります。

【遺産調査が必要だが・・】 

預金の内容もわかっていないようですので、本来ならば祖父の遺産の調査をお勧めしたいのですが、今から20年以上も前に祖父が死亡されているということですので、預金そのものも時効で消滅している可能性があります。

また、場合によっては相手方に取り込まれている可能性もありますが、その返還請求権もおそらく時効で消滅しているものと思われます。

ただ、今回は祖父の遺産問題もある複雑なケースですので、できれば専門家である弁護士(できれば相続に詳しい弁護士が望ましい)に、祖父と父双方の遺産相続に関する法律相談や遺産調査をお願いすることを考えてもいいでしょう。

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