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実例Q&A

相続した不動産売却時の負担【Q&A №597】

2018年1月12日



【質問の要旨】

相続放棄をすると相続財産売却時の費用は負担しなくていいのか?

記載内容  相続放棄 解体 費用

【ご質問内容】

父没後、父の資産は預金300万円、父が住んでいた家・土地があります。

相続人は姉・私(弟)の2人です。姉は結婚時に花嫁道具とか家屋取得などで父より援助を受けたこともあり、相続放棄しました。

私が父の遺産を相続するに、家(木造、築50年)が古く売却が難しいと思い、解体を業者に相談したところ、解体費の他に建築法 による市道拡張工事(現状1.5m幅、2m以

上幅が必要)や不明確な境界であるため確定する費用などで600万円かかると言われました。

私にそんな費用を捻出する金銭がないので、姉に相談したところ、「自分は遺産を放棄したのだから負担する義務はな い。所有者になるあなたが負担すべき」と言われました。

私が負担すべきものなんでしょうか?

(困りねこ)

※敬称略とさせていただきます

【相続放棄をすると、最初から相続人にならなかったものと扱われる】

お姉さんは、お父さんの相続について、相続放棄をしたとのことです。

相続放棄をすると、その効果として、放棄する相続人は、その相続に関しては最初から相続人にならなかったものと扱われます。

つまり、お姉さんは初めからお父さんの相続人ではなかったということになりますので、「自分は遺産を放棄したのだから負担する義務はない。所有者になるあなたが負担すべき」というお姉さんの主張は正しいです。

そのため、お姉さんは相続債務を負うことはありません。

【加えて、今回の費用は相続債務でもない】

お姉さんが相続放棄をしておらず、その建物が共有ということであれば、今回の建物の解体費や工事費、境界確定のために必要な費用を分担してもらうことも可能です。

しかし、前述のとおり、お姉さんは放棄したことによって、相続とは全く関係のないことになりました。

加えて、建物の解体費用は相続債務ではありません。

あなたが相続人としてその建物を取得することが相続であり、建物解体費用などは相続が終わった後に、その建物を売却するための費用であって、この点からもお姉さんに負担を求めるのは困難でしょう。

現在、お手元に上記費用を支払う余裕がないのであれば、解体せずそのままの状態で売却するしかないというのが結論になります。

 

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