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実例Q&A

被相続人の遺産の範囲の調査【Q&A №208】

2012年10月30日


 

特別受益に該当しますか

前提:弟が死亡し、相続が発生しました。

弟には妻(入籍したのは約5年前)はいますが、子供はおりません。

相続人は、弟の妻、私たち兄弟の計3名です。

弟は生前、退職金で妻の弟の借金(何百万円単位)を肩代わりしたり、土地を購入し、妻名義で土地の登記をしています。

これらは、相続財産に該当しますか。

また、それを証明するため、銀行口座の取引履歴を入手したいと考えています。

その際、弟と兄弟の関係を示す戸籍謄本が必要とのことですが、具体的にはどの戸籍謄本を入手すればよろしいのでしょうか。

(父母:死亡、弟:この度死亡、兄弟、それぞれ違う県に本籍があります。)

 

 

(わたる)


【返済資金提供は贈与?貸金?】

奥さんの弟(以下、義理の弟といいます)の借金返済について、弟が資金を提供した場合には、その資金を贈与したのか、貸しただけなのかということが、まず問題になります。

資金提供の際にどのような話や事情があったのかを調査しましょう。

借用証書が作成されたのかどうか、弟さんが返還請求した事実があるかどうか、少額でもあれ義理の弟による返済の事実がないのかどうかなどを確認して、贈与か貸金かを判断しましょう。

贈与であれば遺産に含まれません。

他方、貸したのであれば、あなたの弟は、義理の弟に対して貸金返還請求権を取得します。

これはあなたの弟の相続財産に含まれるので、弟の相続人であるあなたは自己の持分に応じて返還を請求することができます。

【妻名義での土地の購入】

奥さん名義の土地について、その名義からだけで弟の遺産ではないということにはなりません。

その購入資金や管理費用を誰が出したかが問題となります。

もし、弟がその資金を全部出したというのであれば実質的には弟のものであり、名義だけを奥さんから借りたにすぎないとして、弟の遺産と主張することも可能になります。

当事務所が担当している事件には、そのような主張をする場合もよくあります。

資金以外にも、固定資産税の支払いや弟夫婦間の収入の比較などの調査をし、弟の遺産であることを証明する資料を収集する必要があるでしょう。

又、支払い資金の動きを確認するためにも、弟の銀行口座の取引履歴を取寄せることも必要不可欠です。

【兄弟が相続人であることの証明するための戸籍は・・】

金融機関としては、あなたが相続人であれば、取引履歴の照会に回答します。

兄弟が相続人になるためには、被相続人である弟に子供や孫がいないこと、父母がおらず、祖父や祖母もいないことが前提になります。

そのため、弟とあなたが兄弟であることを証明する戸籍や除籍謄本だけではなく、被相続人である弟の出生からの戸籍等も必要ですし、両親もすでに死亡していることを証明する戸籍も必要になります。

なお、本籍地が他府県に分かれているとのことですが、郵送でも取寄せが可能のはず(弁護士の場合には郵送で取寄せします)ですが、念のためにその本籍地の役所に問い合わせされるといいでしょう。

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