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実例Q&A

同居すれば自宅を相続できるという兄の主張【Q&A №391】

2014年6月23日


 

数ヶ月前に父が亡くなり、その遺産相続で兄と揉めております。

母は既に無く、兄弟は兄と私の2人です。

兄は結婚しておらず、亡父と同居していました。私は既婚で独立しています。家と土地は父の名義、定期預金、普通預金があります。

兄と次のように主張しています。

1)自分には使用借権があるのだから、土地家屋の3分の1は自分の物である

2)15年ほど前に、父に500万円貸したので、遺産から、差し引いて欲しい

3)1と2を差し引いた残りを、2分の1ずつ分ける

調停、裁判などになった場合、兄の主張は通るのでしょうか?

実際は父に依存していた生活も、父の面倒を見ていたと主張すると思いますし、家の恥を宣伝することもないので、世間では、親孝行な息子で通っています。

父は急死したので、病床の面倒は2人ともみていません。

兄は一種のギャンブル依存症で、働いてはいますが、給料ののうちのほんの一部を家にいれるだけで、実際は、父の年金で生活していたようなものです。が、証明はできません。

ですから、父の預金はないと言っても良い金額で、葬式費用と同額程度です。

記載内容  使用貸借 同居

(困っている妹)

 

【使用借権と所有権とは無関係】

お兄さんが無償でお父さん名義の不動産を使用していても、お兄さんがその不動産の所有権を取得するわけではありません。

無償で使用する権利である「使用借権」を取得するだけです。

又、今回のケースは、お父さん名義の家を無償で使用しているだけですので、正確な表現をすると「お兄さんはお父さんから、家を無償で使用する権利(使用借権という債権)を与えられていた」ということになります。

「土地家屋の3分の1は自分の物」というお兄さんの主張は間違いです。

【使用借権の価額】

家が使用貸借の対象となっている場合、その家の価額が減価されます。

家の使用借権の場合、ケースによって異なるでしょうが、底地の更地価額の10%程度の減価はやむをえないでしょう。

【使用借権は特別受益である】

お兄さんは、お父さんから無償で、家に居住する権利をもらいました。

そうすると、その使用借権は生前贈与になる可能性が高いです。

結局、お兄さんとしては使用借権を主張して、それが認められても、その反面、その使用借権が特別受益とされ、プラスとマイナスの面があるということになります。

【貸金の返還について】

お兄さんがお父さんに対して500万円を貸していたという点が証明できるのであれば、その債務は相続債務であり、あなたは法定相続分の2分の1ですので、金250万円の返還義務を負います。

しかし、15年も前の債務というのであれば、消滅時効にかかり、返還が不要だという反論もできます。

【特別寄与にはならないか】

なお、ややこしいことを言いますが、仮に消滅時効としても、その分特別寄与をしているのだというお兄さん側の反論も出てきそうです。

消滅時効になった場合、その分を特別寄与という形で請求できるか、議論のあるところですが、そのような問題点が持ち上がる可能性も考えておくといいでしょう。

【今後の対策について】

とりあえずは、今回の回答を参考にお兄さんと協議されるといいでしょう。

なお、円満な協議ができないのであれば、家庭裁判所で遺産分割の調停をし、第三者である調停委員の意見を参考に解決の道を探るといいでしょう。

なお、協議がまとまらないのであれば、早期に相続に詳しいお近くの弁護士に相談され、場合により事件を依頼することも考えていいでしょう。

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