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子どもの配偶者への住宅資金贈与と離婚時のリスク【Q&A780】

2022年9月27日

【質問の要旨】

・娘夫婦の新築に関して、娘婿に1000万円の生前贈与は可能か。

(5年に分散して贈与税を払いながら贈与するよう考えている)

 

 

 

【回答の要旨】

・娘婿への生前贈与は可能。

・1000万円を5年に分けて贈与する場合は贈与税が発生する。

・贈与税を抑えるためには、①娘婿に10年に分けて贈与する、②娘に贈与すれば、住宅取得等資金の贈与の非課税措置を受けられる可能性がある、③娘と娘婿に贈与する、という方法が考えられる。

・万が一離婚した場合のことを考えると、

1000万円を娘婿に贈与するのではなく娘に贈与すると良い。

 

 

 娘夫婦の新築に関して、娘婿に1000万円の生前贈与は可能でしょうか?

その場合、5年に分散して贈与税を払いながら贈与することを考えております。

よろしくお願いいたします。

【ニックネーム】

 あずき

 

【回答】

1 娘婿への生前贈与は可能

  贈与は、相続人以外の人に対してもできます。

娘婿に対し、新築住宅購入のための資金として1000万円を生前贈与することは可能です。

2 贈与税対策

 ⑴ 娘婿に1000万円を5年に分けて贈与する場合の贈与税額

相談者は、1000万円を5年に分けて贈与することを考えています。

   均等に贈与するのであれば、1年あたり200万円を贈与することになりますが、基礎控除額が110万円であることから、1年あたりの贈与税額は次のようになります。

    (200万円-110万円)×10%=9万円/年

   5年間ですので、計45万円の贈与税を娘婿は支払う必要があります。

   あくまで贈与税の納税義務があるのは娘婿であり、相談者ではありません。

 ⑵ 贈与税額を抑える方策1

   もし、娘婿に対する1年間の贈与額を110万円以内に抑えて、10年かけて贈与するのであれば、贈与税は発生しません。

 ⑶ 贈与税額を抑える方策2

   娘婿ではなく、娘に贈与する場合は、住宅取得等資金の贈与税の非課税措置を受けられる可能性があります。

   新築する家屋の床面積が40㎡以上240㎡以下等の諸要件(詳しくは、国税庁ホームページをご確認ください)を満たす場合において、新築住宅が省エネ等住宅のときは1000万円まで、それ以外の住宅のときは500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。

 ⑷ 贈与税額を抑える方策3

   1年あたり、娘婿に対し100万円、娘に対し100万円を贈与する場合も、贈与税は発生しません。

3 将来の離婚リスクと対処法

娘が将来離婚するリスクを考えるのであれば、離婚時の財産分与において娘の取得できる財産が増えるようにするために、1000万円は娘婿ではなく、娘に贈与するのがよいでしょう。

そして、娘がその贈与金を、新築住宅の購入費用の一部として支払い、新築住宅の持分権を取得しておくべきです。

不動産の登記も娘と娘婿の共有にしておくべきでしょう。

(弁護士 武田和也)

 

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