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実例Q&A

死亡通知人は遺言内容も通知する義務を負うか【Q&A №271】

2013年4月22日

 

 

遺言執行者が第三者で、死亡通知人が相続人の場合、死亡通知人の公正証書作成時(遺言執行前)の義務と権利について教えていただきたい。

例えば、相続人が複数いる時、死亡通知人が他の相続人に公正証書の内容を明かしてはいけないんでしょうか(秘密にする義務があるのでしょうか)。

 

(renpapa)



 

 

【法律上、《死亡通知人》という制度はない】

被相続人が生前、自分が死亡した場合、その死亡の事実及び遺言書の存在及び内容を相続人に知らせて欲しいという場合が考えられます。

その指定された人を《死亡通知人》と呼ばれているのだと思います。

しかし、死亡通知人というのは民法(遺言や相続について定める法律)などの法律で定めた役職ではありませんので、法律上、当然に権利義務が発生することはありません。

【《死亡通知人》のなすべき事項は】

本件では公正証書遺言が作成されるようですが、その中で《死亡通知人》を遺言者が一方的に指定しても、その指定された《死亡通知人》に何らかの権利が発生し、あるいは義務を負うということはありません。

ただ、《死亡通知人》が遺言者との間で、別途、何らかの合意をしている場合には、その合意の内容に従って、権利義務が発生します。

質問ではそのような合意の有無や内容が記載されていませんが、仮に《死亡通知人》が指定されており、その指定された人が《死亡通知人》となることを了解したのなら、次のような行為をする必要があるでしょう。

①相続人に対して、被相続人が死亡した事実を通知する。

②被相続人が公正証書遺言をしたことも併せて通知する。

各相続人としては、最低限、この①及び②の事実を通知してもらえれば、公証役場に遺言書の有無及び内容を確認することができますので、死亡通知人としてはなすべきことを果たしたということになるでしょう。

【公正証書遺言の内容を明かすことの当否】

公正証書遺言の内容を明かすことの当否は、遺言者との間でどのような合意があったかによって決定されます。

生前、遺言の内容を明らかにしてほしいとの合意が遺言者との間であったのであれば、当然に公開していいことになります。

公開について何らの合意もない場合には、遺言の内容まで明かにしないのが無難でしょう。
遺言の内容を明らかにしたことによって、遺言執行に支障が出てきた等のクレームが出る可能性があるからです。

ただ、通知を受けた相続人から遺言の内容を聞かれることも考えられますが、その場合には公証役場で遺言書を確認することができるという説明をする程度に留めておくといいでしょう。

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