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実例Q&A

父親違いの姉妹から突然の連絡【Q&A №364】

2014年4月11日


 

突然のご質問で恐縮です。

拙い文章ですが、数々の事例に精通されてる先生にアドバイスをいただければと思い投稿いたしました。
先日、母(64)から私を育ててくれた祖父母は、育ての祖父母で血の繋がっている実祖母(A)が亡くなっていたと打ち明けられました。

実祖母は実祖父と離婚し、別の男性(B)を婿入りさせ、娘(C)がいるのですが、娘(C)から母に男性(B)の生命保険の受取に母の印鑑証明と実印が必要だという連絡があったのです。

1年程前に実祖母(A)が亡くなり、4ヵ月後に男性(B)が亡くなったと聞いています。娘(C)は嫁いでいるため性は変わっております。

娘(C)は母に生命保険と実祖母(A)の預金を受け取る権利があると言っているのですが、これは相続に当たるのでしょうか?

母は60年全く付き合いが無く、相手のご家族、故人に関してはほとんど知らないので信用は全くありません。

ですので、もし相続に該当するのであれば、債務を引き継ぐ可能性があるので、放棄しようと思うのですが、権利関係が複雑すぎてどう対応すればよいのか困っております。

記載内容  父親違い 生命保険

(あっちゃん)

【問題点の整理】

今回の問題点を整理しておきましょう。

まず、相続は2つ発生しています。

・最初は1年前に死亡した実祖母であるAさんの相続です・・第1の相続

・次にその後に死亡した、実祖母の再婚相手のBさんの相続です・・第2の相続

次に生命保険金についても整理しますとおそらく次のとおりになります。

・Aさんが死亡し、その生命保険金の受取人がBさんであった。

そのため、《生命保険金を受け取る権利》を有していたが、その保険金を受け取っていなかった・・・以上は第1の相続の問題

・Bさんはその生命保険金の受取前に死亡した。

そのため、Bさんの《生命保険金を受け取る権利》は遺産となり、遺産分割の対象となる・・・以上は第2の相続の問題

【遺産分割における生命保険金の扱い】

生命保険について少し詳しく説明しましょう。

生命保険金は遺産にはなりません(Q&A №298Q&A №299参照)。

そのため、Aさんが死亡した時点では、Aさんのした生命保険契約の受取人がBさんと指定されていると、Bさんが保険金全額を取得します(遺産ではないので、娘さんのCさんは生命保険金を請求できません)。

すなわち、Aさんの保険契約の結果として、新たに受取人のBさんに保険金受取権が発生することになります。

ここまでは第1の相続での生命保険金の問題です。

次に、Bさんが、(Aさんの契約した)生命保険金をもらわずに死亡した場合には、既に発生してBさんが権利を持っている生命保険金を請求する権利を、Bさんの相続人間で遺産分割するという問題であり、この場合の生命保険請求権利は遺産分割の対象になります。

これが第2の相続における生命保険金の扱いです。

あなたのお母さんがBさんの養子になっているのなら、Bさんが死亡したことにより発生する第2の相続では、その法定相続人はCさんとあなたのお母さんになります。

生命保険会社としては、Bさんが生きていて受け取る場合にはBさんだけの印鑑でよかったのですが、そのBさんが死亡したために遺産分割の問題となったので、Bさんの法定相続人であるあなたのお母さんの実印及び印鑑証明を必要としているのだと理解するといいでしょう。

【相続放棄について】

相続放棄はAさん及びBさんの死亡を知った日から3ケ月以内に家裁に放棄の手続きをする必要があります。

今回の質問ではAさん及びBさんとも死亡してから3ケ月は既に経過しています。

そのため、相続期間伸長の手続きをしていない限り、現段階では相続放棄はできません。

ただ、仮に3ヶ月を過ぎていても事情を説明することで裁判所が相続放棄を受け付けてくれるケースもないわけではありません。

相続放棄したいのであれば、相続に詳しい弁護士に取り急ぎ、対応を検討されることをおすすめいたします。

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