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相続伸長家庭裁判所が認知している間は競売は始まらないですか。【Q&A №570】

2017年6月29日


【質問の要旨】

相続の承認・放棄の熟慮期間中は競売は始まらないのか?

記載内容  競売 伸長 相続放棄

【ご質問内容】

今回当方は、2回目の相続伸長を家庭裁判所が9月14日まで認知して頂きました。

当初の予定では、7~8月から開設して、競売が履行される予定でしたが、被相続人が死亡した為に相続者5人の内、今回競売の原因を作りました、被相続人の長男(当方の異母兄)が18年前に突然多額の借金を作り、被相続人と当方に連帯保証人として債務を背負わし、本人は、現在行方不明で、あらゆる方法を駆使して、探しましたが今日現在消息不明です。

被相続人が死亡して当方と被相続人が共有の土地(約150坪)家屋3棟あり、他の相続者3人は相続放棄しており、問題はこの被相続人の長男がみつからない為任意売買もできず、現在2回目の相続伸長を致し家庭裁判所が9月14日まで了解してくれました。

先日債権者側(保証協会)との担当者と話し会いのなかで、この担当者が申すには、続相続伸長を家庭裁判所が認知している間は競売は始まらないですとことでしたが、本当でしょうか。

(ヨタロウ)


※以下、今回のご質問内容を、

①長男の負った債務について、

②被相続人と質問者が自分たちの共有する不動産を担保にしていたところ、

③債務の不払いがあり、そのため、不動産について競売がなされようとしている 事例であると理解したうえで、回答します。

【裁判所は所有者に競売開始の通知を送る必要がある】

競売は債務に基づき不動産の財産を売却する手続ですので、裁判所は債務者(長男)・所有者(被相続人と質問者)に競売開始されることを通知します。

これは競売開始に不服がある場合に、債務者らに不服申し立ての機会を与えるためです。

今回のように、不動産の所有者の一人が死亡している場合には、相続により所有権を取得した者に競売開始の通知を送りますので、競売を申し立てる債権者としては、申立書に債務者と所有者(相続人)を記載する必要があります。

【相続の承認又は放棄の期間を伸長していると、競売手続は進められない】

相続が発生した場合、死亡された方の所有権は法定相続人に移転されますが、相続放棄の期間伸長が出されているような場合には、まだ、所有者がだれかが確定していません。

この期間中に手続きを進めてしまうと、後に相続人の一人が相続放棄をし、所有者ではないということになった場合に、すべて手続きがやり直しということになります。

そのため、期間が満了して、相続人が確定するまでは、裁判所は競売の手続はストップします。

(なお、競売開始通知を送った後に、所有者が死亡したという場合には、すでに競売手続は開始されていますので、手続はストップせず、そのまま進みます)

ご質問にあるような、相続放棄の期間を伸長している段階では、所有者が確定しませんので、債権者は競売の申立をしても通知ができないため、手続きは進みません。

又、仮に債権者が所有者の死亡を知らずに申立をした場合でも、裁判所からの競売開始通知が届く前に所有者が死亡していた事実が判明すれば、その段階で、競売手続きは停止します。

【行方不明の長男がいる場合の任意売却の可能性】

ご質問では、相続人5人のうち、あなたと行方不明の長男以外の3人は、すでに相続放棄をしているとのことです。

ただ、長男が行方不明のままである場合、裁判所に不在者財産管理人(従来の住所又は居所を去り、容易に戻る見込みのない者の財産を管理するため、裁判所に選任された人のこと)を選任してもらって、任意売却ができる場合もあります。

任意売却で買受人が見つかれば、売却価格も上がりますので、どうしても長男が見つからないが、任意売却をしたいというのであれば、検討すると良いかもしれません。

又、行方不明が長年になる場合には、死亡したと裁判所に認定してもらう失踪宣告(生死不明の者に対して,法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度のこと。その生死が7年間明らかでないとき等に認められる)という制度もあります。

この場合は、あなたが単独相続することになり、物件を売却することも可能です。

ただ、これらの手続きは、費用がかかりますし、むずかしい手続きですので、弁護士と相談され、どの程度の手間や費用がかかるかをお聞きになるといいでしょう。

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