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実例Q&A

相続放棄されたマンションの管理費回収方法【Q&A №465】

2015年9月9日

 


マンションの区分所有者が亡くなり、相続人がいません。滞納管理費を回収する手段はありますか?

【ご質問内容】

分譲マンションで独居老人が1年前に亡くなりました。

その後の管理費(年間約35万円)が滞納中です。

当該不動産に抵当権等の権利設定は全くありません。

相続人調査は未だ行っていませんが、息子さんの話では相続放棄する(した)とのこと。

管理組合として債権保全を行い滞納管理費を回収するにはどう処置したらよいでしょうか。

例えば、当該不動産に仮差押をすることは可能でしょうか。可能としたら、どのような手続きが必要になりますか。

宜しくお願い致します。

記載内容  マンション 管理費 滞納

(管理組合理事A)

 


【まず、他に相続人がいないかどうかを調査する必要がある】

すでに息子さんが相続放棄されているようですが、他に相続人はいないのでしょうか。

相続には順位があり、配偶者と子(または孫)がまず第一順位に相続人になります。

今回の質問では息子さんが相続放棄されたということですので、第2順位の直系尊属である独居老人のお父さんやお母さんが生存しているのか、万一、生存しているとしたらその方が相続放棄をしているのかどうかを確認する必要があります。

その後、兄弟姉妹も第3順位の相続人になりますので、これらの方が存在するのかどうか、存在するなら相続放棄をしているのかを確認する必要があります。

もし、相続放棄をされていない法定相続人がおられれば、その方が債務を引き継ぎますので、その方に請求して、必要な手続きを進められるといいでしょう。

【相続財産管理人を選任することになるが・・】

相続放棄の結果、相続人がいない場合には、債務を引き継ぐ人もいなくなり、滞納された管理費はもはや誰にも請求できません。

ただ、マンション(の一部屋)という財産があるケースですので、その財産を競売等で換価して、延滞賃料の支払いに充てるということも考えられます。

しかし、訴訟等の法的手続きをするには相手方が必要ですが、相続人不在では債務者がいないために手続をすることができません。

このような場合、債務者の立場になる相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申立することができ、申立があれば、裁判所は相続財産管理人となる弁護士を選任します。

管理組合としては、この相続財産管理人を債務者として手続きを進めることになります。

ただ、相続財産管理人の選任申立するには、裁判所に約90万円程度の予納金を納める必要があります。

この予納金は原則として返還されません。

【回収までの手続き】

財産管理人は独居老人の方の遺産を調査されますので、もし預貯金があれば、財産管理人に債権申し出をする手続きがありますので、延滞管理費の弁済を受けることができる可能性があります。

もし、預貯金がない場合にも、財産管理人が独居老人のマンションを売却し、その代金で延滞金を支払ってくれる可能性もあります。

ただ、延滞額である約30万円を回収するために、相続財産管理人申立のための予納金90万円を出すのかということになり、管理組合としてはどちらを選択するかということになります。

【管理組合として考えるべきことは・・】

財産管理人の選任の方針を選択すれば、管理組合として90万円もの費用負担が必要になります。

しかし、反面、このまま放置しておくと、その独居老人の部屋からの管理費は未来永劫に回収されなくなります。

また、その部屋をこのまま放置しておくことが、近隣の住民(所有者)やマンション全体にとって悪影響を与える可能性も考えられます。

多額の金銭がかかっても相続財産管理人を選任するのか、このまま放置するのか、管理組合や他の所有者で協議、検討のうえ、今後の方針を固められる必要があるでしょう。

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