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実例Q&A

行方不明の相続人がいる場合の遺産分割【Q&A №2】0002

2009年6月23日

 

先日、父が亡くなりました。

私は5人兄弟の長男で、母は既に亡くなっています。

ところが、兄弟のうち、次男は25年も前に家を飛び出してから、音信不通です。

次男の戸籍を取寄せると、戸籍では死亡は記載されていません。

そのため、親戚を始め、次男の昔の友人たちに聞いて回った結果、家を出た直後に住んでいたところが判明し、その場所を尋ねたのですが、次男はそこには住んでいませんでした。その近所の人も全く連絡がなかったようです。

結局、いろいろ手を尽くしたのですが、転居先がわからずじまいでした。

次男以外の兄弟とは、長男である私が父の住んでいた自宅を相続することで話がまとまっているのですが、次男を除いて相続手続をすすめることは可能でしょうか。

 

(長男)

 


 

 

【相続人全員が参加しない遺産分割協議は無効です】

被相続人の残した財産をどのように分配するかについて、法定相続人が話し合いによって決定する手続きを「遺産分割協議」といいます。

この協議によって、あなたがあなたの父の自宅を相続すると決定した場合は、協議の結果を記載した遺産分割協議書とその他必要書類を用意した上で、あなたの単独名義の相続登記をすることができます。

しかし、法定相続人の全員が参加しなければ遺産分割協議は無効です。

質問の事案における相続人は、生存している兄弟5人です。

従って、行方不明の次男が参加することなく行われた遺産分割協議書は無効です。

 

【失踪宣告という制度があります】

ただ、これでは、次男が見つからない限り永遠に遺産分割協議ができないことになります。

そこで、民法には、長期間にわたって生死が不明の人を「死亡した」とみなして、そこから生じる法律問題を解決する制度があります。

これを「失踪宣告」と言います。

本件では、失踪した次男の兄弟などの関係者が家庭裁判所に失踪宣告の申立てをし、「7年以上の生死不明」であることが認められれば、次男は法律上、死亡したことになり、残りの相続人だけで遺産分割協議をすることができます。

失踪宣告手続には、生死不明であることを裁判所に証明する必要があり、申立のときに裏付資料を揃え、裁判所と協議して足りない資料を追加で提出するなど、複雑な手続きになります。

そのため、このような手続は弁護士に依頼するのが望ましいですが、もし、ご自分でされたい場合にも、予め、相続問題に詳しい弁護士と相談された方がよいでしょう。

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