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実例Q&A

親の介護を拒否すれば相続できないか【Q&A №250】

2013年3月4日


 

夫の死後 30年同居していた姑を義理の弟に面倒見て欲しいと頼んだら義理の弟から無責任な嫁だと言われました。

また舅の遺産(預金)を兄に相続させたとのだから全て返せと言ってきました。

すでに亡き夫が相続済みの預金を全て返さないといけないでしょうか

(まこ)


 

【介護と相続とは別々の問題です】

今回、夫の母親の介護を義理の弟(母からすれば実の子)に頼んだとのことですが、日本の法律では、相続は介護したことの報酬でもなければご褒美でもありません。

そのため、介護することを放棄したとしても、なんら相続には関係がなく、あなたのご主人がすでに相続した預金などを義理の弟に返還する義務はありません。

【約束などがあれば別途問題となる】

他方で、(今回であれば舅の)遺産分割の際に、最期まで母の介護をすることが遺産分割(あなたのご主人が預金を全部取得すること)の条件とされていたような場合であれば、介護の意思を放棄することで預金を返還しなければならない可能性が出てきます。

ここは、遺産分割協議書など当時の約束がどの程度明確な資料として残っているかどうかにより判断すべきでしょう。

【感情的には問題となりうる】

とはいえ、日本の社会通念としては、介護をした人間が遺産も主に引き継ぐべきだという考え方が未だ根強いところです。

たしかに療養介護は決して楽ではありませんし、感情的には「親のお金くらいは・・・」と思う気持ちがあっても不思議ではありません。

ただ、介護というのはその内容や期間によって様々であり、今回のように30年間も同居を続けた後に義理の弟に頼んだがために、これまでの介護努力が無になるということにも疑問があります。

アドバイスとしては、介護を頼む弟に対し、今後の介護費用に相当する程度の預金を返還するなどして解決を図ることも一つの手段でしょう。

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