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実例Q&A

遺産に組み戻さない特別受益【Q&A №387】

2018年6月16日

 

 

 

父は高齢ですが、認知症はありません。

その父が、私の3人いる兄弟の一人だけに現金を渡していたことがわかりました。 贈与税はかからない金額のようです。 

将来相続問題になった時に、この特定の兄弟だけに渡されていたお金は、遺産に戻し入れることはできますか?父は、あのお金はその兄弟にあげたものなので、戻さなくても良いと言い、必要ならば自筆の遺言を書くと言っています。

記載内容

贈与 免除 持ち戻し

 
(げんじ)

 

【まとまった一時金は原則として特別受益になる】

お父さんが兄弟のうちの一人にお金を渡しており、その金額が贈与税のかからない金額というのですから、110万円以下の贈与があったのでしょう。

ところで、お父さんが生前にお金を渡しているケースで、生活に困っている子供に毎月10万円程度の金銭を渡しているのであれば、親の子に対する扶養義務の履行として特別受益にならないとされることが多いです。

しかし、相続人の方に対し、まとまったお金(仮に100万円程度であればまとまったお金と言っていいでしょう)を贈与していたのであれば、原則として特別受益になります。

その場合、生前に遺産の一部を受け取っていた扱いになります。

具体的にいうと、その贈与額を遺産に組み入れ(持ち戻しといいます)、その分を、当該贈与を受けた法定相続人の相続分から控除することになります。

【遺産にもち戻しはむずかしい】

ただ、被相続人であるお父さんが、その生前贈与分を遺産に持ち戻さなくてもよいという意思表示(持ち戻しの免除)をすることも可能であり、その意思表示は書面でなくても認められます。

お父さんが必要なら遺言書でそのことを明記するということまでおっしゃっているのであれば、持ち戻し免除の意思が明らかですので、特別受益であっても、遺産に持ち戻しはできないという結論にならざるを得ないでしょう。

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