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実例Q&A

★死亡前後の他人による預金引出しに責任追及は可能か【Q&A №189】

2012年8月22日

相続権の無い叔父

困っていますので、質問させて頂きます。

先日私の父が亡くなったのですが、私が葬儀の段取りなどで、バタバタしているときに叔父(父の弟)が父の預金から300万円を引き出していました。

私達、相続人に一言も言わず黙っていて3日後に判明、委任状も無しに引き出させる銀行に対して、叔父に対して法的手段は有るでしょうか?  

300万は私達が窓口に来たため、慌てて叔父から返金して、口座凍結されました。

特に叔父に対して立腹しています。

父の愛車(軽トラ)は自分が乗るので、貰うと、勝手に言い張って、車検証、鍵も私に渡しません。

どうかアドバイスをお願いします。

(HIRO)


【責任追及は刑事と民事とがある】

責任追及には、刑事と民事の2つの方法があります。

警察に被害届をだしたり、告訴したりと、警察や検察庁の捜査が始まり、裁判で懲役や罰金等の処罰があるのが刑事の責任追及です。

これに対して、受けた損害の賠償を求めて裁判をするのが、民事の責任追及です。

【銀行に対しての責任追及は難しい】

まず、銀行の刑事責任について考えましょう。

刑事責任を追及するには、その前提として処罰する法律(殺人なら、刑法の殺人罪の条文)が存在することが必要です(これを法律用語で《罪刑法定主義》といいます)。

しかし、少なくとも刑法には、過失で財産的損害を与えたときに、その加害者を処罰する条文はありません(ただ、銀行法等、金融関係の分野でも様々な法律があり、その中で罰則が定められていますが、《私の知る限り》では過失で払い戻しをした場合に刑事責任があるとした条文は知りません)。

なお、銀行が引き出す者(本件では叔父)に何ら権限がないということを知っており、故意があったというなら詐欺罪等の幇助犯の可能性はあります。

次に民事責任では、引き出された300万円が返還されているのですから、損害自体がないということになり、損害賠償は難しいでしょう。

【叔父に対する刑事責任追及はできなくはないが・・】

叔父が、無断で父の預金を引き出したというのであれば、刑事での詐欺罪(又は窃盗罪や電子計算機使用詐欺罪)や有印私文書偽造、同行使等の犯罪に該当する可能性があります。

引き出した金銭は返還されていますが、既にお金が引き出されていますので、犯罪としては既遂になります。

返還したからといって、成立した犯罪がなくなることはないからです。

ただ、被害届や告訴をしても、既に被害が回復されていることから、警察がすぐに動くことは少ないと考えておいた方がいいでしょう。

民事では、現行の場合と同様に、引き出された預金分が返還されているので、損害がなく、賠償請求は困難です。

【車検証や鍵の返還問題】

車検証や鍵は父のものなのに叔父が返還しないということであれば、法的手続きを取らざるを得ないことになります。

この場合には、民事で車検証や鍵の返還を請求するとともに、使用できなかったことの不利益を金銭に換算して損害賠償請求をすることになります。

なお、裁判で請求する方法もありますが、素人でも簡単に申し立てができる民事調停という制度がありますので、お近くの簡易裁判所に行き、裁判所の調停担当の方と申立の方法などを相談されるといいでしょう。

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