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実例Q&A

★あるはずの父の預金が存在しない場合【Q&A №317】

2013年9月27日


 

99歳の父が1ヶ月前に亡くなりました。

10ヶ月前まで年収手取りで720万ありました。

遺産放棄を前提にお墓の改葬を母、長兄に提案したところ、年金の通帳(600万)、他にはないので母の生活費に困る。

またお墓はみんなで出し合おうとの返事。

母の通帳を見せてもらったら1400万の預金書、他に700万あった普通預金が3ヶ月前に下ろされており妹の口座へ確認。

父の年収と年齢からして生活費を考慮して少なくとも年4、500万残ってもおかしくありません。

億の遺産があってもおかしくありません。

相続人は母、子5人です。

私以外、そのことを触れようとしない事と、妹の口座に一部贈与が確認されているので全員で何か隠していることが考えられます。

公平な相続を求めるには、今後何から手を着けていけばいいでしょうか。

訴訟も考えています。

どうぞよろしくお願いします。

記載内容  不正出金 不当利得 事務管理 生活費 贈与 特別受益 遺産調査

(ありんくりん)

 

【まずは徹底した調査が必要です】

ご相談のような不正出金が疑われるケースについては、最初に遺産調査が必要です。

その際、最も重要なのは、金融機関の預貯金の取引履歴の確認です。

そのほかにお父さんが株式の売買を行っていたのなら、証券会社に対する照会も必要ですし、この他、生命保険契約の有無及び内容の確認も必要でしょう(生命保険は遺産ではありませんが、それが多額になった場合には遺産になる可能性があります)。

【金融機関の取引履歴の照会方法】

金融機関に取引履歴を照会する方法は過去のブログ(Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 )をご参照ください。

なお、金融機関への調査について、注意すべき点は次のとおりです。

①ゆうちょ銀行を除いて、銀行名だけでは照会はできません。

どの支店であるかを確認して、その支店へ照会する必要があります。

お父さんの利用していた支店がどこかは、お母さんやお兄さんに聞けばよいのですが、教えてもらえなければ、お父さんの住んでおられた自宅付近の金融機関に、軒並み照会を出さざるを得ないことになります。

②金融機関によっては、相続人全員の同意がないと照会に応じられないとの対応をする場合がありますが、平成21年の最高裁判例で、相続人の一人の照会であっても金融機関は回答する必要があるとされています。

③履歴が判明した場合は、その入出金を突き合わせて、多額の出金があったかどうかを確認していく作業が必要です。

④多額の出金がある分については、その出金が誰によりなされたかを判断するために払戻伝票の筆跡等を確認する必要があります。

【多額あるいは不正な出金が判明した場合】

前項の④の調査で、お父さんが出金をしていた場合には、引き出された金銭が贈与として他の共同相続人に行ったことが考えられます。

この場合には特別受益として、遺産に持ち戻すことになります。

又、お父さん以外の人が引き出した場合には、その人に対して不当利得として返還請求をすることになります。

この場合、あなたが返還を要求できるのは、その不当な使い込み額のうち、あなたの相続分(10分の1)に相当する額です。

【早い段階で弁護士に相談することも考える】

今回の質問の場合、遺産を調査する必要があるのに加えて、多額又は不正な出金があった場合には、その返還を求めたり、特別受益として扱ったりする必要があります。

あなたが訴訟も考えているということであれば、早い段階で弁護士に依頼し、遺産調査から入ってもらうことも考えていいでしょう。

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