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実例Q&A

不正出金や養子縁組をする相続人への対応【Q&A №657】

2019年8月9日

 

【質問の要旨】

・義父に成年後見人を付けた。

・義理姉は後見人より預貯金返還請されている。

・義理姉が長男を義父の養子にしたが、無効裁判中である。

・義父は義理姉のリフォーム代を支払った。

・義父が亡くなったら、

① 養子縁組無効訴訟はどうなる?

② 預貯金返還請求は?

③ リフォーム代はどうなるか?

 

【ご質問内容】

義父には成年後見人を付けました。

それをよく思わないぎりの姉(相続人)が遺産の取り分を増やそうと自分の長男を義父の養子にしたり(裁判中)

後見人より預貯金返還請求されていますが中々裁判が進みません。

また家のリホームで多額のお金を義父に支払いさせていたことがわかりました。

義父にもしものことがあったらいまの裁判や使ったお金の行方がきになります。

私達が準備しておくことあるのでしょうか。

成年後見入っても遺言書の書換えは可能ですが。

長谷川式12点で後見入りました。

介護認定は2から1にさげてしまってますが認知度はⅡbとなっています。

 

 

 
(どうなるの)

 ※敬称略とさせていただきます。

 

【養子縁組無効訴訟・・・義父が原告なら当然に終了】

義姉が自身の息子を義父と養子縁組させた件については、「裁判中」ということですので、おそらく養子縁組無効確認訴訟が係属しているものと思われます。

上記訴訟は、人事訴訟といって、身分関係を争う訴訟であるため、当事者の一方が亡くなると、当然に訴訟が終了します。

そのため、この訴訟を提起したのが義父(又は義父の後見人)なのであれば、義父が途中で死亡すると、その時点で訴訟は終了し、新たに他の者(この養子縁組について利害関係のある者。義父の相続人など)が訴訟を提起し直す必要があります。

ただ、この訴訟を提起したのが義父ではないのであれば、義父が亡くなったからといって訴訟に影響はありません。

養子縁組無効訴訟が係属していれば、その結果によって遺産分割の割合も変わってきますので、遺産分割も訴訟の結果を待って行うことになります。

【後見人からの返還請求・・・相続人らが引き継ぐ】

義姉は、後見人から預貯金返還請求訴訟も提起されているようです。

これはおそらく、義姉が意思能力の衰えた義父の口座から、勝手に預貯金を引き出していたために、後見人が引き出した分の返還請求訴訟を提起したものと思われます。

この途中で義父が亡くなった場合には、被後見人の死亡により後見は終了し、義父の相続人らが裁判を引き継ぐことになります。

その上で、裁判の結果、義姉から引き出した金員を返還してもらった場合には、返還してもらった金員を法定相続分に従って分割し、それぞれが取得することになります。

【リフォーム代・・・特別受益もしくは不当利得返還請求をする】

最後に、リフォーム代ですが、もしも、リフォーム代を支払ったタイミングではまだ義父の意思能力はしっかりしていたというのであれば、これは義父から義姉への生前贈与ということになり、義父の遺産分割の際に、「特別受益」として持ち戻し、義姉の相続分を減らすということになります。

一方、リフォーム代を支払ったタイミングでもうすでに義父の意思能力に問題があったという場合には、義父から義姉への贈与は成立せず、義父(現在であれば後見人。義父が亡くなった後であれば相続人ら)は義姉に対して、リフォーム代の返還請求権を有するということになります。

義父の意思能力については、長谷川式認知スケールの結果だけで判断できるものではなく、また、行う行為の難易度によっても異なりますが、介護記録、通院・入院等していれば医療記録の記載をも合わせて確認し、主張していくことになります。

【今の段階でできることは】

このような事案では、これ以上財産を取得されることを防ぐ手段をとることを一番に考える必要がありますが、今回の事案では、すでに成年後見人もつけているとのことですので、今後財産が取得されることはないでしょう。

そうすると、今の段階でできることは、自身に有利な遺言書を書いてもらうことと、過去の贈与や不正出金の証拠(通帳のコピーを取っておくなど)くらいです。

ただ、遺言書については、「すべて〇〇に相続させる」というような簡単な内容であれば有効とされる可能性もありますが、すでに後見人が就いていますので、義姉を含む他の相続人から無効訴訟をされる可能性は非常に高いでしょう。

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