平成23年7月に母が亡くなりました。
母は、平成19年3月に長谷川式簡易知能テストで15点でした。
平成20年の9月に遺言書を書いていました。(同居していた姉の誘導があったと思います。)
平成20年3月には、CTでの映像では、脳萎縮が激しくなり一人では何も出来なくなるほど見当識障害がでていました。
平成21年4月には、介護認定でアルツハイマー型認知症で重度と医師の診断書が出ていました。
遺言書は有効でしょうか?(全て姉にとなっています。)
認知症の判定の基準を分かりやすく御教え下さい。
CT・カルテ等は、ありますが専門医や専門の弁護士さんは居られるのでしょうか?
記載内容 認知症 遺言能力 長谷川式認知スケール
【遺言ができる能力とは・・】
遺言の内容も理解できないような人の遺言は、有効とはされません。
認知症が重度になると、遺言をしてもその効力が認められません。
問題はどの程度であれば、遺言能力があると判断されるかということでしょう。
【判断資料としての長谷川式認知スケール】
認知症などの程度をはかるテストとして、質問にある長谷川式認知スケール(簡易知能テスト)があります。
簡単なテストですが、知的能力がどの程度かがよくわかりますので、遺言能力の有無の重要な判断資料です。
【認知スケールからの判断では・・】
前記認知スケールは満点が30点です。
検査結果が20点以上なら、まず遺言能力があると言っていいでしょう。
逆に10点以下であれば、遺言をする能力が認められない場合が多いでしょう。
質問の場合はちょうど中間の15点ですが、遺言の内容が《すべてお姉さんに》というシンプルなものであることもあり、テスト当時には遺言能力はあったというのが妥当なところかもしれません。
【認知スケールから1年6ケ月後の遺言能力】
遺言作成は、テストから1年6ケ月後でので、この時点での遺言能力の有無が問題となります。
その間、CTでの映像では、脳萎縮が激しくなったようですが、CTだけで知的能力を判断するのは難しいでしょう。
《一人では何も出来なくな》ったというのであれば、遺言能力がなかった可能性も高いように思われます。
ただ、遺言能力を争えば、裁判になる可能性が高く、どのように証明するかという点が問題となります。
もしお母さんが入院をされていたのであれば、カルテや看護記録を取寄せされるといいでしょう。
医師や看護師という第三者の眼から見たお母さんの行動が記載されており、遺言能力の重要な判断資料となるでしょう。
【専門的に取り扱う弁護士を探すことも重要です】
遺言能力だけを専門的に扱う弁護士はいないでしょう。
ただ、相続事件に詳しい弁護士なら遺言能力が問題となったケースをかなり扱っているはずです。
知人や弁護士会等から相続に詳しい弁護士の紹介を受けるといいでしょう。