父がアルツハイマーになってしまいました。
父名義の遺産はどのようにして、母、私を含む子供3人でわけることが出来るのでしょうか?
父と母、兄が今一緒に暮らしてます。
母も高齢ですし、兄も独身で障害年金をもらってます。
今暮らしている父名義の家と土地が広すぎて管理も難しく、出来れば早いうちに次女の私の所に土地と家を売却し、一緒にこれから暮らしたいと思ってます。
(父以外は皆望んでます。)妹にはもちろん財産分与をして。
いわゆる生前贈与でしょうか?
生前贈与等まったく知識がなくすみませんが、宜しくお願いします。
【重度の認知症では売却はできない】
質問では、父のアルツハイマーの程度がはっきりとはわかりませんが、もし、重度で、自分で意思決定できないような場合には、父は自宅の土地建物の売却や贈与はできませんし、遺言を作成してあなたに相続させることもできません。
【売買契約をするためには成年後見人の選任が必要】
重度の認知症の父が自宅を売却するには、家庭裁判所に成年後見人選任を申し立て、就任した後見人に売却してもらうしかありません。
たとえば、特に使用せず、固定資産税など経費が多額になる不動産であれば、父の財産減少防止のため売却するケースもあるでしょう。
ただし、裁判所が親族以外の第三者を後見人に選任する可能性もあり、後見人が必ずしも売却に応じるかどうかはわかりません。
また、成年後見人は父の財産を守る立場ですので、生前贈与をすることはまず考えられません。
【生前贈与をしなくとも・・】
又、生前贈与については高額の贈与税が課税されます。
例えば、1000万円を超す生前贈与には、贈与された財産額の50%に相当する税金が課される可能性があります。
又、自宅などの不動産を売却したことは税務署に通知されますので、税務署が売買代金の行き先を調査する可能性が高いです。
このようなことを考えると、生前贈与は得策でもありません。
【結局は相続で財産分けをするしかない】
どうしても自宅を売却する必要があるときには、成年後見人に自宅を売却してもらえることもあるでしょうが、その代金は後見人の管理に任せることになり、子どもたちで分けることはできません。
結局、相続までは財産を分ける方策はありません。
父が死亡した後に、売買代金を含む相続人で分けるしかできないでしょう。
なお、相続の場合には、(現在の税制では)母と子ども3人の場合、遺産総額9000万円までは、全く課税されませんので、節税のためにも相続を待つことが得策と言えるでしょう。