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実例Q&A

夫を相続人から外す方法【Q&A №379】

2014年6月3日


 

初めまして。よろしくお願い致します。

私は結婚していますが、子供がいません。

病気の容体が良く無く、「死」を意識する様になりました。

私の死後、保険金で葬儀を行って貰えると仮定して。

主人用にも毎月少ないながらもお金を貯蓄しているので、私の通帳の中身は、妹の娘(姪)に譲渡したいと思います。

その場合は、「夫の相続人手続きを外す」と聞きましたが、その様な手続きはどの様にしたら良いのですか?

記載内容  遺留分 生前の相続放棄の合意 生前の遺留分放棄 公正証書遺言の執行 廃除

(くるみ)

 

【相続人である夫の立場は・・・】

ご主人に遺産を渡したくないが、どうすればいいかという質問です。

まず、ご主人は配偶者になりますので、妻であるあなたが死亡した場合には、本件では子供がいないということですので、直系尊属(あなたのご両親等)が存在する場合にはあなたの遺産の3分の2が、又、ご両親等の直系尊属が死亡されている場合には4分の3が、法定相続分としてご主人が相続します。

【遺言書を書く】

まず、何よりも遺言書を作成し、ご主人以外の人に遺産全部を相続あるいは遺贈する必要があります。

又、なぜ、ご主人に遺産を与えないかを、穏やかな表現で《付言》として記載しておくといいでしょう。

ご主人としては、そのような遺言書であれば、やむなしとして納得する可能性があり、あえて遺留分減殺請求まではしてこない可能性もあります。

【夫を相続手続きから外す《廃除》という方法があるが・・】

質問には《「夫の相続人手続きを外す」と聞きましたが、その様な手続きはどの様にしたら良いのですか?》とあります。

法律上、夫から強制的に相続人である資格を奪ってしまう《廃除》という制度(民法892条。条文は末記のとおりです)があります。

この制度は、あなたが生前に、家庭裁判所に、ご主人から暴力や虐待を受けていたことを証明し、裁判所の裁判(審判)でご主人を相続人から除外してもらうものです。

ただ、そう簡単には認めてくれないことが多いです。

【生前の相続放棄は法的に法的には無効で意味がない】

生前、相続を放棄するのに同意をしてもらうことも考えられますが、残念ながら、生前の相続放棄は無効です。

そのため、あなたの死後、ご主人が約束を翻して相続放棄をしなかったとき、ご主人は法定相続分どおりの相続することになっても、誰も文句をいうことができません。

【生前の遺留分放棄を考えてみるとよい】

生前の相続放棄はできませんが、生前の《遺留分》の放棄は可能です(民法1043条。条文は末記のとおりです)。

あなたとご主人は互いに法定相続人という関係にあるのですから、互いが遺留分を放棄しあうということで合意されてはいかがでしょうか。

ただ、生前の遺留分放棄については、次の点をご注意ください。

① 家庭裁判所の許可を受ける必要があります。

② 遺言書がないとご主人は法定相続します。

そのため、あなたとしては遺言書を作り、ご主人に遺産を行かないことを明らかにしておく必要があります。

遺留分放棄の審判申立については、当ブログのQ&A №381をご参照ください。

【公正証書遺言で遺言執行者を定め、秘密裏に執行すると・・】

過去に扱った案件ですが、他の相続人に全く知らせることなく、遺言が執行されていたことがありました。

公正証書遺言で遺言執行者が隠密裏に執行したのです。

自筆遺言証書であれば、その実行をするために家庭裁判所の検認という手続きが必要であり、その手続きの通知が裁判所から全相続人に行きます。

しかし、公正証書遺言の場合、検認の手続きが不要で、即時に執行できます。

このような場合、他の相続人の知らない間に遺産が分配され、特定の法定相続人が相続から事実上、排除されるということになります。

但し、遺言執行者としては相続の開始や遺言の存在を知らせ、遺産目録を作成して法定相続人にも交付する義務があります。

前記のようなケースは、これらの義務を履行しなかったために遺留分減殺の機会を奪ったものだとして、他の相続人(たとえばご主人から)損害賠償請求をされるというリスクが発生しますので、お勧めできる方法にはなりません。

 

参照条文①:民法第892条(推定相続人の廃除)

遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

参照条文②:民法第1043条(遺留分の放棄)

1.相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

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