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★夫も子もいない姉の相続人【Q&A №88】 0088

2011年8月30日

 

 

【質問の要旨】

・夫に先立たれ、子もいない姉が死亡した場合、相続人は誰か?

・相続割合はどうなるのか?

・遺言書がある場合、遺留分はどうなるか?

【ご質問内容】

当方姉死亡の際の相続についてお尋ねします。

姉は夫に先立たれ、子供は無く一人です。

姉が死亡した場合、相続は姉の兄弟(6人兄弟で2人死亡 現在3名生存)となると理解しています。

2名死亡の兄弟はその子供が(4名います)相続対象となると理解しています。

既に死亡した夫の兄弟には相続の権利はありますか。

やはり6人兄弟で、5名生存しています。

正確な配分はどのようになるものでしょうかお伺いします。

遺言書がある場合遺留分はどうなるでしょうか。

 
(まさしくん)

 

【ご質問の点】

まずご質問で書かれた相続人ですが、今回は姉の兄弟姉妹(死亡の場合はその子)が相続人となりますので、正しく理解されています。

なお、既に死亡した夫の兄弟には相続の権利はありません。

(相続分を上記の関係図で示しておきます。)

① 姉の兄弟A及びB、C → 5分の1ずつ
② D及びEの子であるd1、d2、e1、e2 → 各10分の1ずつ

なお、今回の相続人は全員が兄弟姉妹及びその代襲者ですので、遺留分はありません。

以下、相続人の判断の仕方について説明していきます。

【誰が相続人になるか】

相続人について、簡単な説明をします。

《配偶者関係》

配偶者(戸籍上の妻または夫)は常に相続人になります。

《子、直系尊属及び兄弟関係》

① 子がいる場合には、その子が相続人になります。

なお、相続前に子が死亡したが、その子に子供(孫)がいる場合には、その子供が相続人になります(これを代襲相続といいます)。

② 上記①に記載した子らがいない場合は直系尊属(父母又は祖父母など)が相続人になります。

③ 子も孫もいない、父母祖父母も死亡している場合は兄弟姉妹が相続人になります。

なお、相続前に兄弟が死亡したが、その兄弟に子供がいる場合には、その子供が相続人になります(これも代襲相続といいます)。

【参考例①】

ご家族に妻、子、父母、兄弟がいる場合
→ 妻と子のみが相続人になり、父母と兄弟は相続人になりません。

【参考例②】
ご家族に妻と父母、兄弟はいるが、子(や孫)がいない場合
→ 妻と父母が相続人になります(兄弟は相続人ではありません)

【相続割合はどうなるか】

① 相続人が配偶者と子の場合

それぞれ2分の1ずつの割合で遺産を取得します。

なお、子が複数いる場合、2分の1をその人数で等分するのが原則です。

② 相続人が配偶者と直系尊属の場合

配偶者は3分の2、直系尊属は3分の1です。

直系尊属が複数いる場合、3分の1を等分することになります。

③ 相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合

配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1です。

兄弟が複数いる場合、4分の1を等分することになります。

【遺留分について】

もし、遺言がある場合には、遺言に従って遺産を処分することになります。

なお、遺言で相続人ではない人に全ての財産を遺贈するという場合でも、配偶者や子供、直系尊属であれば、遺留分減殺請求ができます。

この場合、前項に記載した法定相続分の半分が遺留分になります(父母だけの場合は相続分の3分の1が遺留分)。

しかし、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

そのため、兄弟姉妹が法定相続人の場合に、遺言で遺産が他の者に全部遺贈されてしまえば、兄弟姉妹は全く遺産をもらえないことになります。

(なお、民法が改正され、令和元年7月1日以降に発生した相続については、遺留分の請求により生じる権利を金銭化し、「遺留分侵害額の請求」という形で請求することになりました。詳しくは「相続法改正9 遺留分制度に関する見直し」を参照してください。)

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