調停が始まりました。
最初に、申立人側の者の預金額について、本人のものか、間違いないか?質問がありました。
相手側からの質問です。
生存している人間でしかも申立人の預金の内容を違法な手段で入手することは、調停の時点で、影響はありませんか?
弁護士に聞くと、絶対に相続では生きている人間の口座は調べられないとの事ですが・・・・。
何か訴えることはできますか?
遺産分割調停で相手方から「申立人側の相続人名義の預金口座が、その名義人のものに間違いないか?」という質問があったという前提で回答します。
【質問をすることは何の問題もない】
遺産分割調停で、相手方から、このような質問がよく出されます。
被相続人が、相続人である子の名義で預金することがあるからです。
したがって、このような質問をすることについてはなんら問題もなく、違法とかプライバシーの侵害にはなりません。
【口座の開示を求められた場合の対応】
口座の開示を求められた場合には、開示するかどうかはその口座の名義人が独自に判断することです。
口座を開示することが調停手続を円満に解決し、かつ、口座名義人に不利益がないということであれば開示に応じてもいいでしょう(但し、無制限に応じるのではなく、口座を限定し、それ以上はしないとの前提で開示する必要があります)。
逆にプライバシーだから応じられないという対応もありますし、相手方の預金口座を開示するなら、当方も開示するという反論の仕方もあります。
【強制的に開示を命じられる場合があるか】
現在の金融機関の扱いでは、弁護士会の通じての照会でも、名義人の同意なしに口座の内容を開示することは、原則としてありません。
又、調停でも、あなたの同意なしに、強制的に口座の内容の開示を命じられることはないでしょう。
但し、遺産の範囲が明確でないとして、調停が不調になり、訴訟にでもなれば、裁判所の決定により強制的に開示を命じられる場合があります。
【違法な入手の確認について】
相手方が口座の内容を入手していると思われるなら、口座のある銀行に確認し、違法なことが行われていないか、確認をするといいでしょう。
あなたの名をかたり、署名捺印を偽造した場合には、私文書偽造等の刑法上の犯罪になりますので、告訴することも可能です。