伯父が亡くなり、子供のいない80歳の伯母がお金を預かっていて欲しいと言います。
伯母が亡くなったらお葬式代を通帳からおろして支払ってほしいと言われ、通帳と印鑑を渡されました。
伯母には83歳の姉と74歳の妹がいるのですが、高齢なので私に預かって欲しいと言うのです。
伯母の姉妹を差し置いて、私が預かってもいいものなのか困っています。
姪とは言え、私がお葬式代を銀行におろしに行っても、お金はすぐおろせないのではないかと私は思うのですが、伯母は大丈夫おろせるからと簡単に言うのです。伯母の姉妹も、私が預かっていることを知った場合、気分を害するのではないかと思うのです。
私が預かっていてもいいものなのか戸惑っています。
伯母が亡くなるような事があった場合、家もどう処分するのかも全く考えていないようで、家も好きにしていいよみたいなことを簡単に言うのです。
そんなことを言われても困ってしまいます。
私は伯母に子供もいないことですし、専門的なところに行って相談をした方がいいのではと思うのですが、伯母はそれが嫌らしく、お金や家の事を専門的なところにはいっさい相談せず、ただ私に通帳を預けっぱなしなのです。
特に家の事は伯母が亡くなったら何をどうしていいのか全くわかりません。こういった場合どうしたらよいのでしょうか?
【死亡後の預金引出は、相続人の権利を害する】
伯母の死亡後に預金をもらう権利を持っているのは、相続人です。
今回の質問では相続人は、伯母の姉妹とのことですので、この方達が、伯母が亡くなった時点で、預金を相続で取得します。
そのため、あなたが被相続人の死亡後に、被相続人の口座から出金すると、その人たちの預金口座から出金したことになり、トラブルになる可能性があります。
葬式費用を出すために預かったのだと説明しても、他にも預金通帳を預かっているのではないか、また、預金口座から勝手に出金したことがあるのではないかなどという《あらぬ疑い》をかけられる可能性があります。
【そもそも、被相続人の預金を引き出すことはできない】
伯母は簡単に考えているようですが、伯母が死んだ場合、銀行としては死亡を知った時点で預金を引き出せなくします。
そのため、あなたが被相続人の死亡後に預金を出すためには、被相続人が死んだことを隠す必要がありますし、また、あなたが伯母として(悪く言えば《伯母になりすまして》)預金の引き出しをすることにもなります。
このような違法な行為をあえてしたということになると、伯母の姉妹があなたに対して、《あらぬ疑い》をもつかもしれません。
【預金通帳の扱いをどうするか】
ベストは、すぐに預金通帳を伯母に返還することです。
その際、このままではあなたが困った立場になるので預金通帳は返還する、もしどうしてもというなら、私が困らない内容の遺言書(できれば公正証書遺言が望ましいです)を作成してほしいと伯母に申し入れるべきです(この回答を利用してもらっても結構です)。
もし、返還できないうちに、伯母が死亡したのなら、できるだけ早い段階で伯母の相続人の方に預金通帳を預かっていることを連絡し、返還をするべきでしょう。
そのまま持ち続けると、またまた《あらぬ疑い》を掛けられる可能性が高くなることも考えておかれた方がいいでしょう。