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実例Q&A

★遺留分をもらうための遺産調査【Q&A №185】

2012年8月16日


 

既に分割されてしまった財産の遺留分請求

去年の年末に母が他界しました。

5人の子供(そのうち私だけが前夫の子供)がいますが、遺言が(見せてくれませんが)があるらしく、私以外の4人に相続させると書いてあるそうで、既に私抜きで4人で印鑑をついて財産を分割してしまったようです。

なんの財産があったのか全く私には絶対教えてくれません。

調査会社に依頼して銀行等の財産を調査したのですが、もう既に4人で分けてしまった後なので預金はありませんでした。

私の分の遺留分を請求したいのですが、このように既に分割されてしまった財産を知るにはもう相続税申告書を開示するように調停で言うしかないのでしょうか。

 

(はなたれ)


【遺言書の内容を確認する】

遺言書には被相続人が自分で作成する《自筆証書遺言》と公証人に作成してもらう《公正証書遺言》があります。

自筆の遺言書の執行をするには、家庭裁判所で相続人全員を集めて遺言書を見せる《検認》という手続きが必要です。

今回の質問ではそのような手続きがなされていないようですので、公正証書遺言に基づき執行されたのでしょう。

公正証書遺言であれば、公証役場で内容を閲覧謄写することが可能です。

遺言書の中には、遺産の内容を記載している場合もありますので、まず遺言書を確認されることをお勧めします。

【相続税の申告がされている場合の調査】

相続税の申告がなされている場合、共同相続人であれば、調停で他の相続人に提出を求めるまでもなく、税務署で相続税申告書のコピーをもらえます。

ただ、今回の質問の場合は、あなた以外の人が相続した(ということは、相続税申告書にあなたの記名押印がない)という場合ですが、その場合でも相続税の申告書を見せてもらえる可能性がありますので、是非、税務署に行き、戸籍謄本等の相続人であることがわかる書面や免許証等の本人確認のための書面を示して、コピーを貰えるように交渉するといいでしょう。

【過去の取引履歴の調査も必要】

遺産調査をされたようですが、死亡時点で預金がなくなっていたとしても、死亡前に多額の預金が出金されていることもよくあります。

遺留分減殺として、過去の出金分も対象にすることができることもありますので、是非、取引のあった金融機関支店での母の入出金状況を確認しましょう。

【減殺請求は一年以内に】

遺留分減殺請求は、遺留分の侵害を知ったとき(通常は遺言の内容を知ったとき)から1年以内に請求する必要があります。

遺言書の内容が判明し、あなたに遺産が相続されない内容であるのが間違いないのであれば、できるだけ早く遺留分減殺請求をしましょう。

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