弟相手に裁判 相続人は、私(女)、兄、弟、の3人です。
一昨年母(アルツハイマーで4年ほど入院)が亡くなり(父は他界)相続財産を調べると、弟夫婦が母の普通預金から2,000万引き出しておりました。
1度に10万~30万月に何度もです。
それ以外にも、父の土地を母が勝手に売却した代金2,000万の行方もわからず、弟に聞いても「知らん」の一言です。
これらのお金は、弟宅の新築費用(土地は母から相続済み)に充てたり、弟やその家族の口座に移したりしたものと思われます。
① 財産をすべて開示させる方法
② このお金を相続財産に入れた、遺産分割協議書を作り様子を見る。
反応がなければ、調停~裁判、この順番でいいですか?
【取り込んだ者の財産を開示させる方法】
相続に関する財産調査について、被相続人である母の財産(預貯金情報等)については、相続人であれば調査が可能です(参考カテゴリ:「遺産調査」 )。
しかし、取り込んだと思われる相手方(弟夫婦)の財産を開示させる方法はありません。
調停などで、相手方の預貯金の開示を求めることもよくありますが、まず、開示に応じない場合がほとんどです。
開示に応じた場合にも、全部ではなく、相手方が出しても差し支えないと考えたものしか出てこないと考えておくべきでしょう。
なお、裁判所が積極的に相手方の預貯金を調べてくれることはりません。
調停の場合などは、調停委員が相手方に口座情報を提出する気はないか、という程度の話をしてくれますが、相手方が応じなければ、それ以上の手段はありません。
【相手方が取り込んだことさえ証明すればよい】
注意するべきことは、相手方から返還を求めるには、あなたの立場から言えば、遺産である預貯金を《弟が出したということを証明すればよい》ということです。
そこまで証明すると、今度は、弟の方で、その《払い戻しをした預貯金の使途》を明確にしなければならない立場になります。
この点に重点を置いた調査をするべきでしょう。
【今後のとるべき手段】
ご質問には、まず遺産分割協議書を作ると記載されています。
この趣旨は、弟の取込分を遺産内容に含んだ遺産分割協議書(案)を作成して、弟に署名捺印を求めるということなら、その方向でいいでしょう。
弟が、その遺産分割協議書に署名捺印しないのであれば、ご指摘のとおり、調停から訴訟ということにならざるを得ないでしょう。