父と息子の共有名義である土地・建物のローン残金を父親が支払いたい。
引き落とし口座は息子です。
この場合、生前贈与になるのでしょうか。
【息子負担分の限度で贈与・特別受益】
息子の住宅ローンの残高を父が支払えば、債務の弁済資金の提供として、その支払額が生前贈与になります。
ただ、今回の質問では父と息子の共有名義ということですので、住宅ローンが息子名義であっても、父の持分に相当する分は、実質的に父の住宅ローンとも考えられます。
このような場合、ローン支払額のうち、父の持分割合に相当する分は除外して、息子の持分割合に相当する分のみが生前贈与となると考えていいでしょう。
このため、将来、父の相続が発生した際には、この生前贈与分が特別受益にあたるとされる可能性が高いでしょう。
【持ち戻し免除という制度があります】
上記の贈与が特別受益にあたることを前提として、被相続人は持ち戻しの免除をすることができます。
被相続人が、相続分とは別枠で贈与をするとう意思を表示した場合には、持ち戻しの対象ではなくなります。
これは明示や黙示を問わず、また生前でも遺言によってでもすることができます。