私名義で毎年ゆうちょ通常貯金残高の報告がありますが。
現在痴呆がすすみ成年後見人がついている叔母が幼くして母親を亡くした私のために貯金していてくれたものです。
印鑑や証書がないので今までは絵にかいた餅だと思い、気にもしませんでしたが現在私立大学3年になる息子の学費がどうしても払えません。
奨学金も受けているのですが中小企業で働く私の年収が500万円ほどなので下宿代など厳しいです。
話が戻りますがそのゆうちょ通常貯金は証書や印鑑を紛失したとゆうことで免許書など本人確認できるものであればおろす事ができるし私の意思を無視して名義変更などは
叔母の成年後見人の方でもできないとゆうちょコールセンターに問い合わせて聞きました。
おろして学費にあててもよいものでしようか。
成年後見人と家庭裁判所の担当者が名義変更しましょうと言っています。
そんなこと裁判所でも勝手にできるものなのでしようか。
今現在家庭裁判所からの連絡を待つ状態です。
教えて下さい。
【今回の質問は相続とは直接関係ないが・・】
あなた名義の口座を叔母が作成し貯金をしていたとのことですが、特に今回は叔母がお亡くなりになったわけではないようですので、当質問は直接相続とは関係がありません。
ただ、遺産分割問題では、子ども名義で預金していた親(被相続人)の預金(借名預金などと呼ぶことがあります)が遺産かどうか問題となることがたびたびあります。
そこで、本質問も遺産そのものではありませんが、それに関連する問題と理解して回答します。
【この貯金は誰の貯金か?】
叔母があなたのためにあなた名義の貯金をしておられたようですが、この貯金はあくまであなたの名義を借名した、叔母の貯金というべきでしょう。
叔母がお金を貯金し、かつ通帳を持ち、印鑑も持っておられたという事実を見れば、名義はあなたになっていても、実質は叔母の貯金と考えるべきです。
そのため、仮に叔母さんの成年後見人がゆうちょ銀行に対し貯金を叔母に支払うよう請求する訴訟を起こせば、裁判所は認めるだろうと思われます。
【手続にはあなたの同意が必要】
もっとも、だからといって叔母の成年後見人の方がゆうちょ銀行に行って払戻しを要求しても応じません。
ゆうちょ銀行側からすれば、後日の紛争に巻き込まれることを避けるため、名義人があなたである以上、あなたが払戻しに同意しない限り、成年後見人からの請求には応じないでしょう。
成年後見人や家庭裁判所の担当者の意見は、あなたが同意してくれればあえて訴訟をするまでもないだろうということで、手間や費用を省こうとしているものだと考えられます。
【あなたも勝手に払い戻すことには問題がある】
手続的には(正確に言えば名義としては)あなたのものになっていても、実質上、あなたの貯金ではありませんので、あなたが印鑑や通帳等を紛失したと虚偽の事実を主張して、届出印を変更し、ゆうちょ銀行に出向いて払戻を請求する行為は、事実に反する行為であり、かつ叔母の貯金を横領する行為になるので避けるべきでしょう。
【名義変更は一方的にできない】
成年後見人や家庭裁判所が貯金の名義を変更しましょうと言っているとのことですが、家庭裁判所や成年後見人の見解としては、名義はあなたのものであるとしても実質は叔母名義の貯金なので、貯金名義を叔母に変更するべきだという見解なのでしょう。
ただ、ゆうちょ銀行としては、名義人であるあなたの同意なしに叔母(正確に言えば叔母の成年後見人)名義に変更することはないでしょう。
ただ、あなたの立場としては、その貯金名義の変更に同意してほしいとの要請があれば、名義変更に応じざるを得ないでしょう。