別居の姉が先日亡くなりました。
入院にあたって、姉は、保証人の欄に自分で私の名前と住所、電話番号を書いていましたので病院から、生前の入院費と今回の入院費の請求をされています。(保証人の欄に押印はありませんでした)払わなければならないのでしょうか?
姉の入院は亡くなってから知りました。
両親も他界し、親族は私だけです。
相続する預貯金、財産、生命保険等は一切ありません。
記載内容 保証 入院費用 扶養義務 相続放棄 他人の署名・捺印
【問題点は相続としての債務とあなた自身の債務の2点です】
今回は、書面上であなたの署名がされた形になっているので、あなた自身が(保証人としての)債務を負うのかどうかという点、次にお姉さんの負っている債務(主債務)についてあなたがお姉さんの相続人として債務を負うかという点の、2点です。
【あなた自身の債務はない】
まず、あなた自身の保証債務について回答します。
あなたのお姉さんが、あなたの署名をすることについて、あなたが同意あるいは黙認していたような場合には、保証人としての責任を問われることがあります。
しかし、そうでないなら、あなたが署名も捺印していないのだから、原則としてあなたが(保証人としての)債務者になることはありません。
なお、あなたはお姉さんの兄弟姉妹になりますので、扶養義務があります(末記条文を参照ください)が、それは親族内部の関係であり、第三者である病院があなたの署名・捺印もなく、又、同意もしていないのにあなたに保証債務を請求することはできないでしょう。
【相続債務の対策・・相続放棄を考える】
ただ、お姉さんは、病院に対して支払債務を負います。
そのお姉さんが死亡したので、その債務は相続人に承継されます。
その債務を負いたくないというのであれば、死亡を知って3ケ月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続きをするといいでしょう。
ただし、相続放棄をした場合、あなたは債務を引き継ぐことはなくなりますが、同時にお姉さんから遺産をもらえなくなります。
従って、相続放棄をする場合には、お姉さんの財産と負債とを比較して、負債が多いというような場合に放棄をすればよいでしょう。
なお、財産の方が多いということであれば、お姉さんの債務は支払わざるを得ないでしょう。
具体的な相続放棄の手続きにつきましては、お近くの家庭裁判所に確認されるといいでしょう。
親切に教えてくれると思います。
【弁護士に相談することも考える】
質問では病院からの請求があるようですが、相続放棄をするのなら、その後に相続放棄をしたことを主張すればいいでしょう。
なお、病院が保証人としての債務を主張してくるのであれば、署名捺印をしていないということを主張すればいいでしょう。
それでも病院が納得しないのであれば、弁護士に相談して、対策を協議されることをお勧めします。
【参照条文】
《民法第877条(扶養義務者)
1 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。》