マンション1棟につき3分の1の持分を有しています。
マンションの賃貸をしています。
賃貸借契約の名義は母(持分3分の2)、管理は私(持分3分の1)です。
持分の分の家賃を母に請求できないでしょうか?
【ご質問内容詳細】
「Q&A №265 夫が受け取っていた賃料の相続」(2013/4/8)の回答のについて質問です。
【お義母さんが単独で貸家契約をしていた場合、賃借人に請求できない】
もっとも、家屋が共有であったとしても、賃貸人名義は共有者のうちの1名になる場合が多く、本件の場合も、賃料の支払いをお義母さんが受けているようですので、お義母さん単独で賃貸している可能性が高いと思われます。
この場合、賃借人に対して賃料を請求できるのも受け取ることができるのも、お義母さん一人です。」
と回答されていますが、私の場合、 賃貸マンション一棟の建物と土地が父と母の共有名義で、17年前父が無くなり、土地とマンション建物の30%ぐらい私(長男)名義になりましたが、 賃貸契約書は全て母名義ですが不動産のやり取りは私がおこなっていました。
マンションの管理作業も私がしています。
私の持分の割合にで確定申告しておりますので、持分の税金等は私がはらっております。
このマンションの家賃の持分を母に請求でいないのでしょうか(過去17年間と今後の家賃)。
建物の建築費は、私は負担しておりません。
父と母が建てました。
【遺産不動産が賃貸中の場合の賃料の扱い】
遺産の中に不動産があり、それが賃貸に出されている場合、賃料がをだれがどのように取得するのか問題になります。
№265はこのような場合の質問です。
まず、この場合に、最初に賃貸人は誰かということを考える必要があります。
今回の質問では賃貸人はお母さんだということですので、賃料を賃借人に請求できるのは賃貸人であるお母さんしかありません。
賃貸人ではない他の人が賃料を賃借人に請求できる余地はありません。
【法律的には共有者が賃料を請求できないのか?】
賃料を賃借人に請求できるのは賃貸人のみです。
しかし、その不動産が共有なら、賃貸人はもらった賃料を他の共有者に分配する必要はないのかというのが今回の質問の趣旨のようです。
この点を回答するには、お母さんと他の共有者であったお父さんとの間にどのような合意があったかを確認する必要があります。
共有者であるお父さんが共有持ち分を無償使用することをお母さんに認めていた場合には、使用貸借の合意があったとして、お父さんからの賃料請求はできません。
あなたは現在、30%の持ち分をお持ちのようですが、その持ち分がお父さんからの相続であるとすると、お父さんのしていた使用貸借上の権利義務を引き継ぎますので、お母さんはあなたに対して使用借権を主張することが可能であり、賃料を支払う必要はありません。
また、あなたはに不動産の管理をしているということですが、それは法律的に見れば、管理をしているに過ぎないものの、その管理費をお母さんが死亡した時の遺産分割の際に特別寄与として請求できる可能性はありますし、現時点でも管理費としてお母さんに請求することも考えてもいいかもしれません。
次に、あなたは賃料総額のうち、持ち分の限度で税金の申告もしているようですが、これはあくまで税務の問題であり、申告したからといって、賃料の分配が認められるわけではありません。
【あなたのとるべき態度としては・・】
以上に述べたことはあくまで法律的な判断です。
あなたとしては、お母さんと話をされ、自分が共有持ち分30%を持っているのだから、その分に相当する賃料分配額を払ってもらえないかと相談されるといいでしょう。
その際、税金でも30%相当額を支払っているということも告げ、かつ管理もしているではないかということも併せお母さんに説明し、説得材料に使われるといいでしょう。