【質問の要旨】
相続人が5歳で死亡しているとき、戸籍等はすべて必要か?
【ご質問内容】
遺言書検認申立に必要な戸籍謄本等について
相続人が「配偶者と子(第一順位)」または「子(第一順位)のみ」の場合
第一順位の相続人のうち死亡者がいる場合は、死亡者の出生時から死亡時まで 継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本となっているのですが、死亡者は5歳のとき死亡しているのですが、それでも、死亡者の出生時から死亡時まで 継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本は必要ですか?
戸籍の有効期限はありますか?
【遺産や遺言関係で裁判所に提出する書類】
家庭裁判所に遺産分割調停を申立するような場合には、被相続人の相続関係を明らかにするために、出生後から死亡までの間の戸籍(除籍、改製原戸籍を含む)が必要です。
これは死亡された被相続人の法定相続人としてどのような人がいるのか(第1順位の子や配偶者がいるのかどうか)の確認のために必要だからです。
次に、相続人については現在の戸籍の提出も必要です。
これは法定相続人が生存しているのかどうか、死亡している場合に相続あるいは代襲相続が発生し、配偶者や子が法定相続人になりますので、その点を確認するためです。
遺言書の検認の場合も法定相続人に検認日を通知しますので、分割調停申立と同様の書類が必要です。
【5歳の時に死亡した相続人については】
今回は、遺言検認をするに際して、5歳で死亡した相続人についても出生から死亡までの戸籍が必要なのかという質問です。
5歳であれば婚姻年齢以下であり、婚姻できず、配偶者がいることはありえませんし、生殖能力も発達しておらず、子がいることもありえません。
ただ、戸籍にも誤記や脱落等がある場合も考えられますので、裁判所としてはやはり出生から死亡までの戸籍の提出を求めるのはやむをえないと思います。
【戸籍の有効期限】
次に、戸籍謄本の有効期限ですが、相続人が「現在も生存していること」を立証する戸籍謄本(現在戸籍)は、原則として3か月以内の分を提出する必要があります。
それ以外の相続関係(家族関係)は、父母の氏名や兄弟姉妹が「存在した」、あるいは過去に「死亡した」という事実の裏付けとして提出するものであり、このような事実は何十年経過しても変わることがないため、特に有効期限はないことになり、1年前に取り寄せした戸籍等でも提出できます。