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実例Q&A

相続人の私に連絡しない弁護士【Q&A №603】

2018年3月8日

 


【質問の要旨】

祖母の遺産を相続人ではない母が勝手に受け取れるのか

【ご質問内容】

三年前に父方の祖母が亡くなり、父は六年前に亡くなっていたので、父の弟、弟の娘、私の姉、私で遺産相続(四分の一づつ)遺産相続しました。  

母親は扶養になっておらず、遺産相続していません。  

父の弟達と揉めて母が弁護士に依頼して、遺産相続の書類やサインと捺印は私に請求しますが、母が私に来た手紙を私に渡さず自分で取引して、私の相続分はどうなったの?と聞くと「私が苦労したからら私の物だとか私がお金を払ってる。お前には関係無い私が法律だ」とかんしゃくを起こしてわめき散らしとても恐ろしいです。

税金500万円取られた、お金がまだ振り込まれて無いなど言っていますが、姉は弁護士に自分の通帳番号を伝えているが、私は伝えておらず、多分、母が私の名前で勝手に口座を作り、そこに振り込ませている?  

私は障害者手帳を持っていて、障害者控除もなります。

母親が勝手に私の遺産相続を取れるのですか?

 
(らむね)

 

 ※敬称略とさせていただきます

 

【相続関係の整理】  

祖母が亡くなり、その相続という案件です。

まず、相続人ですが、祖母の配偶者(祖父)は既に死亡しているようですので、法定相続人は祖母の子(父の兄弟)になります。  

なお、質問には相続人として《父》の他に、⦅弟》、《弟の娘》とありますが、この2ケ所に記載された《弟》が同一人である場合には、その娘が祖母の養子になっていない限りは《弟の娘》は相続人にはなりませんのでご注意ください。

【弁護士に依頼しているのはあなたです】  

あなたは父の代襲相続人であり、法定相続人です。  

そのため、弁護士に相続事件を委任するのはあなた自身です。

母は、父の祖母の相続について、相続権は全くありません。  

その弁護士を探してきたのは母であり、着手金を支払ったのは母であるとしてもあくまで依頼者は相続人であるあなたです。

【なぜ、弁護士は母と連絡をとるのか】  

相続事件を受任する際に、多数の相続人のみなさんの中で代表者を決めてもらい、弁護士との連絡窓口をその代表者に一本化することがあります。  

また、直接の当事者でなくとも近親者の方に連絡窓口をしてもらうこともあります。  

そのような場合は、弁護士は母と連絡を取り合っている場合がありえます。

【弁護士に連絡を取るべきです】  

しかし、連絡窓口を母にしようと、弁護士に依頼するのは、相続人であるあなたです。  

そのような場合でも、あなたが依頼者ですので、弁護士に連絡して、今後の連絡は私にしてほしいと申し出をされるといいでしょう。  

この場合、メールかファックスなどで行い、後に証拠が残るようにしておきましょう。  

特に遺産が入金されるような場合には、あなたの口座に送金するように申し入れすることは必要不可欠です。

【もしもの時には別の弁護士も】

いずれにせよ、今回のケースではあなたの気持ちや利益がきちんと遺産分割に反映できるように弁護士と打ち合わせをするなど、あなたの意向を弁護士に伝える必要があります。 

もし、申し入れをしているにもかかわらず、弁護士からあなたに連絡がない場合には、その弁護士としては懲戒にも処せられるべき案件になります。  

そのような場合であれば、その弁護士とは別の弁護士に依頼するも是非、検討される必要があるでしょう。

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