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実例Q&A

連帯債務の住宅ローン支払い【Q&A №626】

2018年10月25日

【質問の要旨】

子が支払った父の住宅ローン

【ご質問内容】

【ご質問内容】 (亡)父親を主債務者、連帯債務者、息子(相談者)で住宅ローンをくんでおりました。

ローンの支払いは私がずっとしていたのですが、父親名義の通帳に現金で入金しておりました。

私の記載はありません。

今回、遺産分割協議となり、立て替えたお金の返還請求をしたいのですが、どう立証すればよいのでしょうか。

生活費の入金10万ローンの支払い4万を同日入金しております。 年金暮らしの父親には、財産はなく、14万の入金は絶対に無理なのですが。

 

(コマッタ)

 

 ※敬称略とさせていただきます

 

 

【貸金の場合、何が問題となるか】

父名義の不動産だが、相談者がそのローンの支払いをしているという事案です。

父親に対する貸金の返還請求をしたいとのことですが、あなたが父親にお金を貸したという点の証明ができるかが問題になります。

あなたから父に銀行送金でされている場合には、金銭の移動は父の通帳の履歴で簡単に証明できます。

この場合は、その送金が返還を前提とした貸付けか、それとも贈与かという点だけが問題になります。

しかし、今回のように父に現金で渡して、父口座に入金され、そこから住宅ローンの引き落としがされているという場合には、その現金の入金は履歴でわかりますが、あなたがその原資を出しているということを他の相続人に納得してもらう必要があります。

【具体的に証明する必要があるのは・・】

他の相続人を納得させるには次のような事情を説明、証明する必要がありそうです。

① 父への現金入金が毎月されていること
 ・・この点は父の預金履歴で証明できるでしょう。

② あなたの口座から、父への入金の前(直前が望ましい)に、父への入金相当額が引き落としされていること
 ・・この点は、あなたの口座の履歴で証明できるでしょう。

③ 父は、住宅ローンの原資に該当するような毎月の収入がないこと
 ・・この点の証明はできるのか、検討が必要です。

④ あなた以外に父に住宅ローンの原資を渡す人はいないこと
 ・・この点もどのように証明するのか、難しいところです。

⑤ 父への金銭の交付は貸金である(返還を前提として渡している)こと
 ・・父が死亡している現在、その点の証明がどの程度できるかも難しい点でしょう。

【他の相続人が納得するかどうか・・】

もし、裁判であれば、前項の①から⑤を証明して、裁判所が納得してくれるように証明していくことが必要です。

今回の案件は遺産分割協議なので、他の相続人が納得するような証拠を出す必要があります。

具体的な事実関係が不明ですが、証明に困難を感じる案件のように思います。

お近くの相続に詳しい弁護士に事実を詳しく説明をし、どのような方策があるかを聞き、交渉の参考にされるといいでしょう。

【連帯債務ということについて】

質問には、あなたが《連帯債務》と記載されています。

もし、あなたが《連帯債務》を負っているのなら、あなた自身が自分の名義で返済できたのではないかという疑問があります。

父が主債務者とあるので、おそらく《連帯保証》の間違いだと思われます。

また、仮に《連帯債務》であったとしたら、不動産名義は共有になっているのではないかという疑問も出てきます。

いずれにせよ、法律問題もありますので、弁護士に早急に相談される必要がありそうです。

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