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実例Q&A

亡父と私が購入した兄名義のマンションは遺産か【Q&A No.467】

2015年9月15日

① 父が主な出資者、兄名義のマンションがあります。
  父がなくなり、次いで母もなくなりました。
  マンションの残債の一部に私の預金600万円が当てられています。
  この600万円は寄与分ですか?兄に返還請求できますか?

② 母が私名義で貯金していました。
  この貯金は生前贈与ですか?遺産ですか?

記載内容  特別受益 家賃 生前贈与

【ご質問内容①】

亡父に預けていた預金(約600万:裏付け資料なし)を兄名義だが父が出資のマンションのローンの残債に充当する。

私が無償で居住OK(兄は黙認)。

亡き父が”いずれお前のものに!”(亡父)

母も同じ発言。

母が亡くなった今も、名義変更されておりません。

この現状の中、亡母の相続協議では¥600万は”寄与”それとも、兄に”返還請求”?

また、無償の家賃は”特別受益”それとも兄へ返還すべきものでしょうか?

【ご質問内容②】

亡くなった母親から”お前名義で貯金しているからね。”と言われていました。

この度の相続にあたって、資産管理を任されていた兄に、存在の確認と引き渡しを申し出たところ、”預かっているから引き渡すよ。”の返事がありました。

この様な場合、この貯金は贈与=特別受益として扱うのか、手渡しが終わってないから親の遺産だとして扱うのかが判りません。

どのように判定すべきかをご教授願います。

(泉南のくま)

 

①について【マンションは誰のものか?】

まず、マンションは誰のものかという点を確認しておく必要があります。

お金を出したのがお父さんであっても、名義がお兄さんだということであれば、原則、お兄さんの所有とみていいでしょう。

この場合、お父さんが出資した金額がお兄さんの生前贈与となり、特別受益として遺産に持ち戻されることになります。

【あなたがお父さんに預けていた600万円の扱い】

あなたがお父さんに600万円を預けていたようですが、その証明はできないということであれば、あなたがその600万円についてお兄さんに返還を求めることはむずかしいでしょう。

また、マンションがお父さんのものではないという前提であれば、あなたの寄与分にはなる余地はありません。

ただ、その600万円についてもお父さんからお兄さんにわたった(お父さんが出資した金額だ)という点が証明できるのであれば、その分もお父さんからお兄さんへの生前贈与(=特別受益)として考え、その600万円も遺産に持ち戻すことになります。

【マンションの所有権をもらうことはできないか?】

お父さんがマンションを《いずれお前のものに!》と言われたようですが、マンションがお父さんの遺産であれば、お父さんから生前贈与でもらったと主張できる可能性がなくはありません。

しかし、最初に述べたようにマンションはお兄さんのものという前提に立てば、お父さんが何を言ったかにかかわらず、あなたがそのマンションの所有権を取得することはできないということになります。

【無償利用は特別受益になるか】

あなたが利用しているのはお兄さんのマンションであり、お父さんの遺産ではありません。

そのため、その無償使用はお兄さんとの関係で問題になるとしても、お父さんの遺産で問題になることはなく、家賃相当分が特別受益になることはありません。

【弁護士に相談が必要なケース】

今回はお兄さん名義であることから、マンションはお兄さん所有として考えていきました。

しかし、お父さんがマンションを《いずれお前のものに!》と言ったということは、お父さんとしては自分の所有物であることを前提にしていたと考えることも可能です。
前提となる事実関係が異なれば結論も異なります。

本件については、具体的な事実を説明したうえで、相続に詳しい弁護士に相談され、マンションがお父さんの所有となる余地はないかどうか検討してもらうこと、また、その場合にどのような寄与分特別寄与や特別受益がどのようになるのか、回答を得られることをお勧めします。

②について【お母さんがあなた名義でしていた預金について】

お母さんがあなた名義でしていた預金については、あなたがその通帳や証書、取引印をもらっていない限り、原則、お母さんの遺産になります。

ただ、お兄さんがお前に渡すよということを言っており、全相続人がそれに異議がないのなら、その預金分はお母さんの遺産ではなく、あなたがお母さんから生前贈与(=特別受益)されたものとして扱うことになるでしょう。

 

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