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実例Q&A

建物の無償利用は特別受益になるか【Q&A №129】

2012年3月9日


 

兄から遺留分減殺請求をされそうです。

兄の家族は、4年間相続財産のアパート2室を無料使用していました。

このアパートは兄が継ぐと決まっていました。これは特別受益でしょうか。

兄は、また、自宅として使っていたこの2室の内装代を親に負担してもらいました。

やはり、これは特別受益でしょうか。

(りょく)


【建物の無償使用で問題になる点は・・】

遺産である建物を生前に無償で使用させていた場合、

① 無償使用できる権利(使用借権)を与えることが特別受益になるのか?

② 毎月、無償利用することにより受ける利益(賃料相当額)は特別受益になるのか?

という点が問題になります。

【アパート2室の無償使用は特別受益にあたらない】

質問では、アパート2室の無償使用が問題となっています。

① 使用借権について  

この場合、無償使用する権利が相続開始後も続く権利である(ということは相続後もそこを利用する)というのであれば、特別受益になる可能性も否定できませんが、特別受益に該当するためには、単なる利益を受けたというだけでは足りず、生計の資本などという《特別》と評価されるほどの多額の受益である必要があります。

そのため、アパート2室の使用借権だけでは《特別》受益ということはできないでしょう。

② 賃料相当額について

無償で使用している間の賃料相当額も特別受益ではないかということも問題になります。

この点については賃料相当額を問題にするのではなく、それの発生源となる使用借権が特別受益になるかどうかを考えればよいというのが実務上の見解です。

したがって、アパート2室の賃料相当額の利益を受けていても、それが特別受益になることはありません。

【内装費用について】

内装代については、その内装の結果は、不動産の部屋の所有者に帰属します。

ただ、現実に内装された部屋を使っているという利益を受けるということになりますが、その利益も特別受益というような大きなものではないと考えていいでしょう。

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