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実例Q&A

特別受益の件!【№621】

2018年10月2日

 

【質問の要旨】

息子の消費者金融への支払いは特別受益になるか

【ご質問内容】

大沢先生宜しくお願い申し上げます。

もう20年以上前になりますが、息子が消費者金融で問題をおこし、当時の弁護士さんに200万円以上の費用をお支払して問題を解決して頂きました。

勿論息子に私への返済はさせておりません。

したがって遺留分の計算などで、この場合特別受益として認めてもらえる可能性はありますでしょうか。

大沢先生お忙しいところ大変恐縮ですが宜しくお願い申しあげます。

(トラちゃん)

 

 ※敬称略とさせていただきます

 

 

20年前に息子の消費者金融の支払いをしたということであれば、特別受益になる可能性があります。

このようなケースで何が問題になるかを整理してみました。

【支払った人の相続でのみ特別受益になる】

まず、息子の消費者金融の借金を支払ったということですが、そのお金を誰が支払ったのかを確認しておく必要があります。

もし、《あなたが支払った》のであれば、《あなたの遺産分割の際》に特別受益として扱われます。

しかし、あなたの配偶者の相続の場合にはなんら特別受益にはなりません。

あくまで支払った人が死亡した場合、その人の相続でのみ、特別受益になるだけですので、ご注意ください。

【特別受益は贈与の場合で、貸金なら別途の扱いとなる】

特別受益は生前に《贈与》したという場合の問題です。

そのため、息子から《返還を予定していない》ということが前提になります。

もし、返還してもらう気持ちで、何回も請求した、あるいは借用書を差し入れてもらったというのなら、それは《貸金》になります。

貸金であれば、その返還請求権は原則10年で消滅時効にかかり、消滅します(なお平成28年の債権法改正によって消滅時効の期間は原則として5年に短縮されましたのでご注意ください。)。

特別受益の場合は、20年や30年前であろうと、消滅時効にはかからず、特別受益として扱われます。

【贈与を証明できる必要がある】

質問のような20年も前の特別受益の場合、一番大きな問題点は、贈与したことが、果たして証明できるのかという点です。

支払った人がまだ生きている時には、息子は《支払ってもらったことはない》とまで主張することはないでしょう。

しかし、特別受益が問題となるのは、支払った人が死亡したときです。

そのとき《支払ってもらったという事実はない。もし、あるというなら証明してくれ》と言い出す可能性が高いです。

そのため、弁護士費用としていくら支払ったのか、また、消費者金融にどれだけ送金したのかを証明する書類があれば、大事に保存しておく必要があります。

また、仮に弁護士費用の領収書などがあったとしても、それは弁護士費用などが支払いされたという事実を証明するだけで、それをあなたが出したということを証明するものではありません。

なぜなら、弁護士の領収書は依頼者は息子ですので、息子宛に出しますし、送金も息子名義で送金されている可能性が高いはずです。

そのため、将来、特別受益が問題になった際、息子は《私が弁護士費用を支払った、私が送金したのだ》という可能性が高いです。

【今、できることとしては・・】

そのため、あなたがそのお金を出したというのであれば、その事実をあなたが元気なうちにはっきりさせておく必要があります。

息子に贈与を受けましたという書面を書かせることができればいいでしょうが、今更、そういうことも難しいかもしれません。

弁護士費用や送金の領収書などがあるなら整理して、特別受益を主張しようとする人に、生前に渡しておく必要があります。

次に息子との話の中で、消費者金融の債務整理をあなたのお金で支払いされたということを認める発言をさせるように持っていき、その会話などをICレコーダーやビデオ等で残しておき、これも特別受益を主張したい人に渡しておく必要があるでしょう。

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